“いりひ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
入日61.2%
落日16.3%
入陽10.2%
入樋2.0%
夕陽2.0%
日入2.0%
沒日2.0%
没日2.0%
落暉2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ホテルの窓より眺むれば、展望幾重、紫嵐しらんこらすカルメル山脈の上、金を流せる入日いりひの空を点破して飛鳥遥にナザレの方を指す。
ここに来て落日いりひを見るをつねとせり海の落日いりひも忘れざるべし
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
江戸の入陽いりひは、大都会の塵埃じんあいに照り映えて、あかねいろがむらさきに見える。とびにでも追われているのであろう、空一めんに烏のむれが、高く低く群れ飛んでいた。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
貸提灯かしぢょうちんを提げて雪駄穿きで、チャラリ/\と又兵衛橋またべえばしを渡って押上橋おしあげばしの処へ来ると、入樋いりひの処へ一杯水が這入って居ります。向うの所は請地うけじ田甫たんぼでチラリ/\と農家の燈火あかりが見えます、真の闇夜やみ
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
世界にしる澎湃ほうはいたる怒濤が死ぬに死なれない多感の詩人の熱悶苦吟に和して悲壮なる死のマーチを奏する間に、あたかも夕陽いりひ反映てりかえされて天も水も金色こんじきいろどられた午後五時十五分
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
赤々として熱そうな、日入いりひの影が彼方むこうの松林に照りつけると、蜩の声は深山の渓間たにまで鳴くのである。もはや帰るべき時はきたった。
森の妖姫 (新字新仮名) / 小川未明(著)
殿よ、沒日いりひは波をく。
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
見おろしてわがる谿の石のべに没日いりひひかりさすところあり
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
到るところしどろな悪草の茎を噛み、あらくれの蔦葛を満身に浴びて耕地から裡の台地へと。また深夜のどぎつ落暉いりひにうたれて、すきのたぐひを棄て去つた彼等。
逸見猶吉詩集 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)