“入陽”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いりひ83.3%
いりび16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
巳之助は人力車のながえにつながれた綱を肩にかついで、夏の入陽いりひのじりじり照りつける道を、えいやえいやと走った。れないこととてたいそう苦しかった。
おじいさんのランプ (新字新仮名) / 新美南吉(著)
江戸の入陽いりひは、大都会の塵埃じんあいに照り映えて、あかねいろがむらさきに見える。とびにでも追われているのであろう、空一めんに烏のむれが、高く低く群れ飛んでいた。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
初夏の厚い霞を着た入陽いりびは、緋の真綿に包んだ茶盆のように大きい。麓の遠い村々にはもう夕べの炊さんの煙が、なびいている。
わが童心 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)