“強”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
41.8%
つよ14.2%
あなが8.3%
7.2%
したた4.6%
したゝ3.8%
きつ3.3%
しい3.2%
こわ2.9%
しひ1.5%
(他:124)9.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
形を離れて色なく、色を離れて形なきいて個別するの便宜、着想を離れて技巧なく技巧を離れて着想なきをしばらく両体となすの便宜と同様である。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
眉山はいて一葉の写真を手に入れたのちに、他から出たうわさのようにして、眉山一葉結婚云々と言触いいふらしたのでうとまれてしまった。
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
そしてオットーが気を悪くして、なお言いつづけようとした時、クリストフは荒々しくその言葉をさえぎって、向うのある地点まで駆けっこをいた。
けれども往復震動おうふくしんどうきゆう緩慢かんまんとなつたゝめ、地動ちどうつよさは次第しだいおとろへてしまつた。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
さけんで、手早てばやく二のをつがえて、いっそうつよきしぼってはなしましたが、これもはねかえってました。
田原藤太 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
けれど、さすがのつよ大将たいしょうも、今度こんどはやっとったというばかりで、みな家来けらいのものもなくしてしまいました。
強い大将の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
◇訳者曰く=支那に伝われる胎教なるものも、このヒポクラテスの見地より見る時はあながちに荒唐無稽の迷信として一概に排斥すべきものに非ず。
押絵の奇蹟 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
時勢が違うのであながち直ちに気品の問題とする事は出来ないが、当時の文人や画家は今の小説家や美術家よりもはるかに利慾を超越していた。
彼はあながちに死を避けず、又生をいとふにもあらざれど、ふたつながらその値無きを、ひそかいさぎよしとざるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
もとより温厚の人でございますから、ってと云うので、是から無極の二階へ通りました。追々誂物あつらえものの肴が出てまいりましたから、
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
こう覚悟をきめてみると、ここに悠々としている必要はない、例の宝蔵院の槍のことも、この場合、っての所望しょもうでもないのですから。
杢「左様そうかえ、あの炭屋さんに女房を一人世話をしてお貰い申したいが、ってきたいという人があるんだから、女房に持って呉れようかね」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「異なお訊ね。その前にあれなる——塔の下に仆れている連れの者を御覧ごろうじ。その童のために、したたかに打たれ、気も失うて苦しんでおる」
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
五十を越したばかり、痩せて骨張ってはおりますが、精力的で金儲けが上手で、一代に江戸でも何番といわれた富を築いただけのしたたかさがあります。
ところが期待を裏切られた。奴等はやっぱり海千山千のしたたか者で、粗雑のようでもヨタモノ仁義の神経は発達していて、全然角突き合わないのである。
不連続殺人事件 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
平次は相手構はず念を押しました、この娘は、若さも美しさも飛越えて、性根のしたゝかなところのあるのを、初對面の平次に感じさせたのでせう。
左吉松ほどのしたゝかな惡黨が、確かな相棒を一人持つて居るなら、何を苦しんで露見のおそれのあるやうな馬鹿な奇計をもちひるでせう。
五十を越したばかり、痩せて骨張つてはをりますが、精力的で金儲けが上手で、一代に江戸でも何番といはれた富を築いただけのしたゝかさがあります。
きつく云う、お蔦の声がきっとしたので、きょとんとして立つ処を、横合からお源の手が、ちょろりとその執心の茶碗を掻攫かっさらって、
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
眼のきつい、おなじように長い顔だが色の黒い輝夫という人が、つむぎの黒紋附きを着て来ていたが、大変理屈ずきで、じきに格式を言出していた。
「光悦や、今のう、きついかたちをした侍衆が、三名づれで、ここの門前へ来て、不作法な言葉を吐いて行ったというが。……大事はあるまいかの」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私はしいて議論もせず、脱走連中にしって居る者があれば、余計な事をするな、負けるからよしにしろといいめて居た位だから
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
それゆえ椿には実は字音というものは無い筈だが、しかしそれをしいて字音でみたければこれをシュンというより外致し方があるまい。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
自分は直ぐ辞表を出した。言うまでもなく非常に止められたが遂には、この場合無理もない、しいて止めるのは却って気の毒と、三百円の慰労金で放免してくれた。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
そういっているとき、博士は急に身体をこわばらせた。そして手をあげて助手を呼び寄せた。五分ばかり経った後、博士は元のゆるやかな姿勢に戻った。
地球発狂事件 (新字新仮名) / 海野十三丘丘十郎(著)
けれども、どうしても言葉にまとまらない。何とか云わなければならないと思う心が強くなればなるほど、彼の舌がこわばって、口の奥に堅くなってしまう。
禰宜様宮田 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
主人の口占くちうらから、あらまし以上のような推察がついた今となっては、客も無下むげじょうこわくしている訳にも行かない。
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
と再び振り向く梅子を、力まかせに松島は引きゑつ、憤怒の色、眉宇びうに閃めきしがたちまちにしてしひおもてやはらげ、
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
諸君しよくんがお聽下きゝくださるならまうします、しひてはまうしません。あま面白おもしろいはなしではないのですから。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
と云ふ決心が出來れば、或は二つの情願が、死の刹那せつな融合ゆうがふしてしまふ樣にもならうが、之とて今の亨一にしひることが出來なかつた。
計画 (旧字旧仮名) / 平出修(著)
「若い者の我儘ぢや。近頃遊びが過ぎるので、ツイこは意見をすると、——それならば、娘のお夏と一日も早く一緒にしてくれ——と申すのぢや」
今はおん身情こはきも、よも再び拿破里に住みて、ベルナルドオと面をあはせんとは云はぬならん。
自轉車は走り出したが、最初からよろめいてゐて、駿介のハンドルを持つ手は固くこはばつてゐた。
生活の探求 (旧字旧仮名) / 島木健作(著)
幼少の頃の苦い記憶があって、癖の悪い酒のみや、無理いされる大杯を見ると、その酒に身持のわるい養父の筑阿弥ちくあみの顔が映って見えてくるのであった。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もう鴻山にも万吉にも、出世の無理いをすすめるようなありあわせな厚意は、かれの真実と潔癖の前にいいだされなくなった。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
風呂にはいれ、と無理いすることを監視人たちが忘れたので、万事を早めることができたのだ、と心ひそかに思った。
審判 (新字新仮名) / フランツ・カフカ(著)
「へん、メリー。」とシルヴァーが言った。「また船長せんちょになるつもりか? 手前はおしつええ野郎だよ、まったく。」
から笑止をかしくつてやうねえな、えゝか、う、かうやんだよ、あゝ、本當ほんたうつええのがんだよ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
八「風吹かざふがらすびんつくで女の子に可愛がらりょうとアおしつええや、この沢庵たくあん野郎」
「そうじて泣く子と地頭にゃ勝たれんわな。水戸の烈公さんなんて、あれでなかなかごうものでいらっしゃったるそうな」
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
阿仏は為相に一家を立てさせただけに、ごうの者であったが、また老年の為家をよくたすけてその道にも精しかったのである。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
さすがは奥地第一の雄藩に禄をむ若侍だけあって、どうやらこの道の相当ごうの者らしいのです。
たつ此度こんどの仕事をうと身の分も知らずに願ひを上げたとやら、清吉の話しでは上人様に依怙贔屓えこひいき御情おこゝろはあつても
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
たつてにこ/\しようと思ふなら、その前に先づ痘瘡はうさうにかゝらなくつちや……。
夫に死なれてから、一人世帶を持つて居て、釧路は裁縫料したてちんの高い所であれば、毎月若干宛いくらかづゝの貯蓄もして居たのを、此家の主婦おかみが人手が足らぬといふので、たつての頼みを拒み難く
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
だが、その様子とはおよそ反対なつい、きらりと光る目で、盛子のうしろに、半泣きになつた、取乱した青い顔で立つてゐる徳次の妻、ときを見た。
医師高間房一氏 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)
彼は酒の酔ひもさめたと見えて、興奮し、そのために稍つい、輪郭のはつきりした顔立ちになつて、一心に土手の方を注視してゐた。
医師高間房一氏 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)
オラも、こんげのオッカネことは、生れてから聞いたことがねえもんだて。誰に来てもろたら、ええもんだろか。この村にいッちッついモンは、困ったもんだのう、一番目はあのアネサにきまッてるこて。
お前さんが自害をしようと云うのをたって助け、斯うやって連れて来ても、矢張やっぱり海へ飛込むの咽喉のどを突くのと云って見れば、それを見捨てゝ帰る訳にもいきません
おい友之助、お前は本当にひどい人だのう、私のたった一人の娘をたってくれと云うので、お前は業平橋の文治郎と云う奴を頼んで掛合いに来た其の時、私はることは出来ねえと云ったら
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
親父が死ぬと彼方此方あっちこっちで世話をする者があると死んだ親父に済まないから旦那なんぞを取るのは厭だと云うねえ、それをたって勧めるから旦那を取るけれども若いい男は取らないねえ
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
あまりやかましいので、さすがに忍耐にんたいづようし我慢がまんがしれなくなつたと
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
いかにもねばりづよい、あきらめにくいかなしみのこゝろが、ものゝまとひついたように、くね/\した調子ちようしあらはれてゐるのがかんじられませう。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
づよく思ひ立つて巴里パリイを立つて来たものの、今マルセエユを離れやうとすると心細くもあるらしい。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
文「上っても腕は利かん、逆に捻って胴を下駄でひどて、手足をくじいて置いたから這い上って帰るだろう」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
大明神まゆしわめてちょいとにらんで、思い切ってひどく帚で足をぎたまう。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
その御心配は御道理ごもっともですが、外から何様どんな物が打付ぶッつかっても釘の離れるようなことア決してありませんが中からひどく打付けては事によると離れましょう、しかし仏壇ですから中から打付かるものは花立が倒れるとか
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
きょくしりぞちょくにくみし、じゃくたすきょうくじかねば、どうしてもえられぬと云う一念の結晶して
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ほかの者に、ぼくの研究をかぎつけられないためさ。そこへまた夜のあけるのをまちかねた下宿げしゅくのおやじが、くっきょう若者わかものを二人もつれて、
井戸の蓋というのは、重い鉄蓋だった。直径が一メートルきょうもあって、非常に重かった。そしてその上には、楕円形だえんけいの穴が明いていた。十五センチに二十糎だから、円に近い。
俘囚 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「もう一名のものは、なかなか手ごわく、後より加勢をやって追い詰めておりますから、程なくばくについてくることと存じます」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おめえの受持ちは相良金吾、あのくじの中では一番手ごわい侍だから、ずいぶん抜かりのねえように頼む」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「狸は弱いから、手先が二人も行けば澤山だが、金貸後家のお紺の家にはすごいのが居るぜ。其處へは利助兄哥と、子分の者十人位で、すつかり用意をして踏込むがいゝ、此方には手ごわいのがる」
けれどもそれはあながちに、自分達の身の上について、特に御米の注意をくために口にした、故意の観察でないのだから、こう改たまって聞きただされると、困るよりほかはなかった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
けれどもそれはあながちに、自分達じぶんたちうへついて、とく御米およね注意ちゆういためくちにした、故意こい觀察くわんさつでないのだから、あらたまつてたゞされると、こまるよりほかはなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
どうして冗談なもんか。現に前の幕で、オフェリヤは一々花を取り違えたじゃないか。然し、決してそれは、幡江の錯乱が生んだ産物ではないのだよ。あの女の皮質たるや、実に整然無比、さながら将棋盤の如しさ。ねえ熊城君、僕はエイメ・マルタン(花言葉の創始者)じゃないがね。人は自分の情操を書き送るのに、あながちインキで指を汚すばかりじゃない。
オフェリヤ殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
さりとて彼はいまかつてその友を利用せし事などあらざれば、こたびもあながちに有福なる華族を利用せんとにはあらで、友として美き人なれば、かくつとめてまじはりは求むるならん。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
他人あだしひとのいうことをまことしくおぼして、あながちに遠ざけ給わんには、恨みむくいん、紀路きじの山々さばかり高くとも、君が血をもて峰より谷にそそぎくださん」と怪しき声は云った。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
ここにそのいろせ火照の命その鉤を乞ひて、「山幸もおのが幸幸。海幸もおのが幸幸。今はおのもおのも幸返さむ」といふ時に、そのいろと火遠理の命答へて曰はく、「みましの鉤は、魚釣りしに一つの魚だに得ずて、遂に海に失ひつ」とまをしたまへども、その兄あながちに乞ひはたりき。
いえ、ただ通懸とおりかかった者でがんすがその方がえらくお塩梅あんばいの悪い様子、お案じ申して、へい、故意わざと
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
伊「花里さん、もうちっとだから辛抱しておいでよ、ちょいと首を出して御覧、品川はあんなに遠くなったから、此処こゝまで来れば大丈夫かねわらじだ、おいらはえらくなったぜ」
えらい、お生憎様あいにくさまで。」
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
けれども、お初は、恋にかけても、したたかなつわものだ。すこしもゆるめを見せようとはしない。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
街へ出て私はしたたか酒を呷つた。
狼園 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
そのはづみに百兵衛は脾腹をしたたか蹴りあげられて、秋のさなかへあつさり悶絶しやうとしたが、すると異様な人物は、「とつつあんや、苦しかつたらぢつと我慢しなよ。人は苦しくない時に我慢といふことの出来んもんぢやからな。村は一大事ぢやぞ!」と斯う言つて苦悶の百兵衛を慰めたので、これが倅の勘兵衛であることが分つた。
村のひと騒ぎ (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
六月の雨は中世紀の僧院のように、暗くて静かだ。たまに晴間を見せて、薄日が射すと、かえってあたりは醜くなる。太陽の輝く都会は僕にとっては余りにどぎつい。
黄鳥の嘆き (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
また深夜のどぎつ落暉いりひにうたれて、すきのたぐひを棄て去つた彼等。
逸見猶吉詩集 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)
翌朝いつまでも栄蔵は起きなかった。お節があやしんで体にさわった時には氷より冷たくこわばってしまって黒い眼鏡の下には大きな目が太陽を真正面に見て居た。
栄蔵の死 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
蕙子は息が窒る様になって仕舞って、こわばりついた様に口も利けなくなった。
お久美さんと其の周囲 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
こわばった様な頬付をして病気の様な眼をして居る様子を見ると、その心配にどれ位お久美さんは悩まされて居るかと云う事が思いやられて、自分の力で取り戻しのつかない遠くの方まで走らせて仕舞った様な悔みと不安がじいっと仕て居られない程激しく蕙子を苦しめた。
お久美さんと其の周囲 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
それは頑迷固陋に似て、ややそれとも違ふ、もつと爽やかなものさへ含んでゐる異常な手ごはさ、鋭さであつた。
荒天吉日 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
骨立ほねだごは呼吸いきつまり、
茴香 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
賢なる彼女は、養母の教えをしかと心に秘めていたが、間もなく時の総理大臣伊藤博文侯が奴の後立てであることが公然にされた。
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
かの菓子折を紵縄をなはにてしかくゝ天井てんじやうへ高くりおき、かくてはかれがじゆつほどこしがたからんとみづからほこりしに
「小金井さんは、ふらんすの翻訳。若松賤子は英語もので、両方ともしっかりしている。若松賤子は明治女学校の校長さんの夫人で、巌本嘉志子かしこというのが本名だ。」
田沢稲船 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
わたしは『都新聞』を読んでいなかったので困ったが、お鯉さんの妹で、大変しっかりもののおかみさんが、帳場を一切処理しているというから、その婦人でしょうと、その人は言った。
一世お鯉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
嘘じゃあないでしょうよ、なにしろしっかりしていますからね、養母っていうほうが。——ええ、二人ありますとも、お母さんを二人しょってるのですから、あのひとも大変ですよ。
一世お鯉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)