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強
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したゝ
ふりがな文庫
“
強
(
したゝ
)” の例文
五十前後のよく禿げた男、愛想は好いが
強
(
したゝ
)
かな感じのするのが、お蝶の死骸を遠眼で見て、先づ平次に一應の挨拶をするのでした。
銭形平次捕物控:263 死の踊り子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
鉄瓶の如き堅いものすら水の
強
(
したゝ
)
かに入つてゐるのを五徳の上に手荒く置くやうにすれば、やはり破損して水が洩るやうになる。
些細なやうで重大な事
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
一方、正文はこの大人と子供と
混
(
ま
)
ざり合つたやうな、身体だけは大振りな、女にかけては
強
(
したゝ
)
かな息子を前にして途方に暮れた。
医師高間房一氏
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
「早松がかう出るんでは、今年や松茸あかんやろで。」と、助役は大きな欠伸を一つして、
疲
(
くた
)
びれた腦へ、新らしい早松の香氣を、鼻の穴から
強
(
したゝ
)
かに吸ひ込んだ。
太政官
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
『さァ、
何方
(
どつち
)
が
何方
(
どつち
)
?』と
呟
(
つぶや
)
いて、
功能
(
こうのう
)
を
試
(
ため
)
すために
右手
(
めて
)
に
持
(
も
)
つた一
ト
片
(
かけ
)
を
少
(
すこ
)
し
舐
(
な
)
めました、すると
愛
(
あい
)
ちやんは
忽
(
たちま
)
ち、
其顎
(
そのあご
)
の
下
(
した
)
を
強
(
したゝ
)
か
打
(
う
)
たれたのに
氣
(
き
)
がついて、
不圖
(
ふと
)
見
(
み
)
ると
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
▼ もっと見る
之まで名だゝる
強
(
したゝ
)
か者を子供のように扱った警吏達も、すっかり手こずって終った。今は乃木将軍が旅順を攻め落した時のように遮二無二、口をこじ開けてゞも白状させようとしているのだ。
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
見たところ、四十近い好い男、小紋の羽織、
紬
(
つむぎ
)
らしい袷、煙草は呑まず、澁茶にも手を觸れず、いかにも
強
(
したゝ
)
かな感じのする中年者です。
銭形平次捕物控:306 地中の富
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
左吉松ほどの
強
(
したゝ
)
かな惡黨が、確かな相棒を一人持つて居るなら、何を苦しんで露見の
惧
(
おそ
)
れのあるやうな馬鹿な奇計を
用
(
もち
)
ひるでせう。
銭形平次捕物控:219 鐘の音
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
勝氣で剛情で、豊滿で色つぽくて、そして長い間泥水に浸つた揚句、人を人とも思はないやうな、
強
(
したゝ
)
かな修業が積んでゐたのです。
銭形平次捕物控:196 三つの死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それは妾のお紺と、先刻明神下の平次の家を訪ねた姪のお國ですが、輕く目禮しただけ、眉をも動かさないのは、なかなかの
強
(
したゝ
)
かさです。
銭形平次捕物控:255 月待ち
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
この番頭と一緒に、菊屋で幅をきかしてゐるのは、
法印
(
ほふいん
)
の無道軒で、あれは猫又と
綽名
(
あだな
)
のある
強
(
したゝ
)
か者、一と筋でいける男ではありません。
銭形平次捕物控:290 影法師
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
仔細
(
しさい
)
といふのは、源助が若い時分に關係した女、——今では、女巾着切の
強
(
したゝ
)
か者になつてゐるお兼に迫られ、その手切金の調達に
窮
(
きう
)
して
銭形平次捕物控:031 濡れた千両箱
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
四十といふにしては若く、何んとなく
強
(
したゝ
)
かな感じのする男ですが、噂の通り良い男で、何處か
慇懃
(
いんぎん
)
無禮なところがあります。
銭形平次捕物控:254 茶汲み四人娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
念入の
醜男
(
ぶをとこ
)
のくせに、輕捷で精力的で、何となく
強
(
したゝ
)
かさを感じさせる正三郎——丹之丞の遠い從弟とりいふ、針目正三郎その人だつたのです。
銭形平次捕物控:035 傀儡名臣
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は相手構はず念を押しました、この娘は、若さも美しさも飛越えて、性根の
強
(
したゝ
)
かなところのあるのを、初對面の平次に感じさせたのでせう。
銭形平次捕物控:286 美男番附
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
中年者の
強
(
したゝ
)
かな顏には、さり氣ないうちに敵意が燃えて、出來ることなら平次を一歩も中へは入れ度くない樣子でした。
銭形平次捕物控:110 十万両の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
元日早々店に頑張つて居るやうな男で、體格も立派、口上も筋が通り、決して好い男ではありませんが、何んとなく
強
(
したゝ
)
かさを感じさせる男でした。
銭形平次捕物控:248 屠蘇の杯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次の調子は意地惡くさへ聽えますが、それは品吉の
強
(
したゝ
)
かさと、その行屆き過ぎる智慧に對する反撥でもあつたのです。
銭形平次捕物控:233 鬼の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
五十を越したばかり、痩せて骨張つてはをりますが、精力的で金儲けが上手で、一代に江戸でも何番といはれた富を築いただけの
強
(
したゝ
)
かさがあります。
銭形平次捕物控:152 棟梁の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
眞砂町の喜三郎は、お勝手に飛んで行くと、其處から引つ立てるやうに、
強
(
したゝ
)
か者らしい下女のお兼をつれて來ました。
銭形平次捕物控:196 三つの死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
吉兵衞は五十男で、世の中を世辭笑ひと妥協で暮して來た男、こんな人間が案外
強
(
したゝ
)
かな魂の持主かもわかりません。
銭形平次捕物控:114 遺書の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その
蝙蝠冠兵衞
(
かうもりくわんべゑ
)
ほどの
強
(
したゝ
)
か者も、傳通院前の成瀬屋に忍び込んだ時は、取返しのつかぬ失策をしてしまひました。
銭形平次捕物控:150 槍の折れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
小肥りの
強
(
したゝ
)
かさうな面魂ですが、舞臺から客を笑はせ馴れてゐるので、何處か
小悧巧
(
こりかう
)
らしい愛嬌のある男でした。
銭形平次捕物控:151 お銀お玉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
唯の町人の隱居と思つたのが、江戸で一番
強
(
したゝ
)
かな御用聞、錢形の平次と判ると、
背
(
そびら
)
を返してサツと飛んだのです。
銭形平次捕物控:068 辻斬綺談
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
跡取は歳は一つ下でも本妻の子の秀太郎と、世間でも親類方でも疑はなかつたが、妾のお若といふのが
強
(
したゝ
)
かで、殿樣に油をかけて
御寵愛
(
ごちようあい
)
を一人占めにした。
銭形平次捕物控:172 神隠し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
強
(
したゝ
)
か過ぎるほど強かな感じのする商人ですが、一人娘を喪つた悲歎は、
性
(
しやう
)
も他愛もなく身に沁みるのでせう。
銭形平次捕物控:103 巨盗還る
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
語り傳への
山莊太夫
(
さんしやうだいふ
)
のやうな男で、隨分諸方の
怨
(
うらみ
)
を集めて居りますが、鬼とでも取つ組みさうな恐しい強氣で押し通し、幾度となく刃の下を潜つた
強
(
したゝ
)
か者です。
銭形平次捕物控:121 土への愛著
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
これは昨夜
強
(
したゝ
)
かに水を呑んだために、まだ半病人の有樣で、お勝手に近い自分の部屋に休んで居りました。
銭形平次捕物控:218 心中崩れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
御守殿お茂與といふのは一時深川の岡場所で鳴らした
強
(
したゝ
)
か者で、大名の留守居や、
淺黄裏
(
あさぎうら
)
の工面の良いのを惱ませ一枚
摺
(
ずり
)
にまで
謠
(
うた
)
はれた名代の女だつたのです。
銭形平次捕物控:114 遺書の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
人一倍
強
(
したゝ
)
かな魂と力を持つた半兵衞を討ち取る望もなく、心ならずも折を狙つて月日を過してゐるうち、昨夜といふ昨夜こそは、まことに千
載
(
ざい
)
一
遇
(
ぐう
)
の時節到來
銭形平次捕物控:155 仏像の膝
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次殿の仰しやる通り、風呂場には
強
(
したゝ
)
かに血のついた、袷が一枚、
盥
(
たらひ
)
につけてありました。これは御厚志に
酬
(
むく
)
ゆるために、密かに申し上げる。萬事御内分に——
銭形平次捕物控:238 恋患ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
中年者の
強
(
したゝ
)
かな男ですが、平次には江戸で恩になつたことがあり、折角呼んだのだから、存分に御馳走もして、自分の近頃の威勢も見せてやり度かつたのでせう。
銭形平次捕物控:308 秋祭りの夜
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
四十男の
強
(
したゝ
)
かさ、長い間の十手
摺
(
ず
)
れで、人に彼れこれ言はれるのが、我慢のならない屈辱だつたのです。
銭形平次捕物控:257 凧糸の謎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
色の淺黒い、キリヽとした男で、二十七といふにしては少し老けて居りますが、何んとなく油斷のない面構へで、逢つて話してゐると、妙に
強
(
したゝ
)
かな感じを與へます。
銭形平次捕物控:161 酒屋忠僕
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
若旦那の初太郎といふのは、二十三四の好い男ですが、父親の半兵衞の鋭さ、
強
(
したゝ
)
かさとは似もつかぬ典型的な坊ちやんで、何を訊いてもお袖以上に
埒
(
らち
)
があきません。
銭形平次捕物控:155 仏像の膝
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
せめても宗次郎の身が立つやうにしてやるつもりでしたが、
強
(
したゝ
)
か者の五左衞門は、美しいお秋を手元に留め置き乍ら、あゝのかうのと言ひ延ばして、容易のことでは
銭形平次捕物控:099 お篠姉妹
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「慾得づくで出たのかも知れないよ、——三十三四の
強
(
したゝ
)
かな男が、誘拐される筈もあるまいから」
銭形平次捕物控:102 金蔵の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
強
(
したゝ
)
かな四十男で押にも力にも不足のないのが、斯うと見込んで下手人を擧げそびれてゐたばかりに、錢形の平次が飛んでもないでんぐり返しの種を持込んで來たのです。
銭形平次捕物控:103 巨盗還る
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
醜
(
みにく
)
くて正直で、そして
強
(
したゝ
)
かな魂を持つた奉公女は、妙に離屋の隱居に同情を寄せてゐる樣子です。
銭形平次捕物控:196 三つの死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お妾のお若といふのは、
櫓下
(
やぐらした
)
で鳴らした
強
(
したゝ
)
か者で、引拔くと尻尾が九本
生
(
は
)
えてゐる代物ですよ。
銭形平次捕物控:172 神隠し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
襲撃の寸前、聞髮を容れず、
鐚錢
(
びたせん
)
が一枚飛んで來て、曲者の
鬢
(
びん
)
のあたりを
強
(
したゝ
)
かに打つたのです。
銭形平次捕物控:115 二階の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
後家のお
角
(
かく
)
が奉公人を使つて先代の家業を續けてゐますがね、——この女は男
勝
(
まさ
)
りの
強
(
したゝ
)
か者で、先代の遺言だからと言つて、三千兩といふ大金を投出して、旗本の株を買ひ
銭形平次捕物控:162 娘と二千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
長い間のお
店
(
たな
)
者の生活で、
強
(
したゝ
)
かな魂と、柔順な態度と、そして利害に敏い眼とを養はれたらしい久治は、平次の拔け目のない問ひの前に、自若として愛嬌笑ひを忘れません。
銭形平次捕物控:221 晒し場は招く
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
四十二といふにしては、子供つぽいところのある丸顏で、一應愛嬌者に見えますが、こんなのは案外
強
(
したゝ
)
かな魂の所有者であることは、いろ/\の場合に平次は經驗して居ります。
銭形平次捕物控:253 猫の首環
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
一の子分の喜太郎は、少し
光澤
(
つや
)
のよくなつた顏を撫でながら、
強
(
したゝ
)
かな微笑を浮べました。
銭形平次捕物控:136 鐘五郎の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
滿面を涙に洗はれて、顏は美しく
上氣
(
のぼ
)
せて居りますが、うるんだ眼は精一杯に見開かれて、
強
(
したゝ
)
かな中年男の寅松に、言葉では言ひ解くことの出來ない自分の無實を許へるのです。
銭形平次捕物控:212 妹の扱帯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
勇三郎よりは幾つか上でせうが、小意氣で、
強
(
したゝ
)
かで、何んとなく戰鬪力を感じさせます。
銭形平次捕物控:318 敵の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
が、谷五郎は
強
(
したゝ
)
かな鬪手でした。平次も少し持て餘して、二三枚錢を飛ばしたところへ
銭形平次捕物控:318 敵の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
僅かに刄の平で受けましたが、二枚目は
強
(
したゝ
)
かに頬骨へ、三枚目は額へ、——眼へ——。
銭形平次捕物控:083 鉄砲汁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その林右衞門が死んで、後には何萬兩といふ身上が殘つたが、番頭の七兵衞といふのが
強
(
したゝ
)
か者で、世間から惡七兵衞とか何んとか言はれながら、貧乏
搖
(
ゆる
)
ぎもさせずに商賣を續けてゐる——
銭形平次捕物控:212 妹の扱帯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“強”の解説
漢姓
強(きょう)は、漢姓の一つ。
(出典:Wikipedia)
強
常用漢字
小2
部首:⼸
11画
“強”を含む語句
強請
強情
強者
強面
強飯
強盗
強健
手強
強力
強奪
強直
勉強
強敵
強雨
気強
頑強
強張
強気
強烈
心強
...