“愛”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
24.4%
あい24.0%
いと16.6%
かな6.2%
いつく4.4%
めで2.0%
2.0%
めぐ1.6%
1.4%
1.4%
(他:79)16.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「やあ孫策。やさしくも追ってきたな。その健気にでて勝負してやろう。ただし、改めて我れに立ちむかう勇気があるか」と、馬をかえして云った。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
出羽にいでゝ多喜の山に薄紅うすくれなゐの花をで、象潟きさかたの雨に打たれ木曾の空翠くうすゐに咽んで、漸く花洛みやこに帰り来たれば
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
ただ機械の如くつかふるに過ぎざりしも、唯継は彼のものいふ花の姿、温き玉のかたち一向ひたぶるよろこぶ余に
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
其如そのごとぼく故郷くに大島小學校おほしませうがくかうあい其出身そのしゆつしんたることをほこるのです。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
質素しつそ』をあいするといふことを、いろ/\なこととうさんにをしへてせてれたのも祖母おばあさんでした。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
きみにあこがるゝもの、あいらしくかしこ遺兒ゐじたちと、温優貞淑をんいうていしゆくなる令夫人れいふじんとのみにあらざるなり。
芥川竜之介氏を弔ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「そうか。だが上杉殿は、先ごろ六波羅解番げばん(解任)となって、鎌倉表へ帰府したはず。……すると近日、いとし子の顔を見られるのじゃな」
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
母は、まだ相手が学生であるとの理由から、最初のほどは反対したけれど、いとしい娘が病の床へついたまま起きあがらないのを見て、ついに同意した。
純情狸 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
「みかど。それはそのはずではございませぬか。小宰相は妊娠みごもッているのですもの。みかどにしても、おいとしゅうございましょうから」
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
相模路さがむぢ淘綾よろぎの浜の真砂まなごなす児等こらかなしく思はるるかも」(巻十四・三三七二)等の例がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
高麗錦こまにしきひもけてるがろとかもあやにかなしき」(同・三四六五)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
美しい東京の街も、この數ヶ月の激しい變化で根こそぎ變つてしまひ、あの見果てぬ夢のやうな、かなしい都會のいとなみが、もう何も彼もみぢんにくだかれてしまつた。
なぐさめ (旧字旧仮名) / 林芙美子(著)
「生れては、北条家の姫様ひいさまとして、たまのようにいつくしまれ、嫁いでは武田四郎勝頼様の御簾中とも仰がれた御身が……」
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これは姉が須永に対する義理からでもあろうが、一つは自分に子のできないのを苦にしていた矢先だから、本気に吾子としていつくしむ考も無論手伝ったに違ない。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
姫はまだ十七、深窓のいつくしみにくるまれていたが、佳麗な容姿はかくれもなく、つねづね若公卿ばらの野心のまとであった。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また心き事はべりき、その大臣の娘おわしき、いろかたちめでたく世に双人ならぶひとなかりき、鑑真がんじん和尚の
〽流れの泉色も香もめで給わればいそいそと花に習うてちらりとそこに情の通う若たちの心任せに紐ときて上の下のととる手も狂うヨイヨイヨイヨイヨンヤサソレヘ
あはれ一度ひとたびはこの紳士と組みて、世にめでたき宝石に咫尺しせきするの栄を得ばや、と彼等の心々こころごころこひねがはざるはまれなりき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
温かき御心ゆゑぞ、大きなるひろき御心もてぞ、ありとあるしみたまへば、御心は神にもいたり、雀にも通ひましけむ。
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
温かき御心ゆゑぞ、大きなるひろき御心もてぞ、ありとあるしみたまへば、御心は神にもいたり、雀にも通ひましけむ。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
長歌は、「香具山かぐやま畝傍うねびしと、耳成みみなしと相争ひき、神代より斯くなるらし、いにしへしかなれこそ、現身うつそみも妻を、争ふらしき」というのであるが、反歌の方は
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
この珍貴うず感覚さとりを授け給う、限り知られぬめぐみに充ちたよき人が、此世界の外に、居られたのである。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
この珍貴ウヅ感覚さとりを授け給ふ、限り知られぬめぐみに充ちたよき人が、此世界の外に居られたのである。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
群卿にみことのりして曰く、それ生くるときにめぐみし所を以て亡者なきひとしたがはしむ。
本朝変態葬礼史 (新字新仮名) / 中山太郎(著)
秀吉「汝は、京に上せはりつけにかけんと思いしが、わが面前に壮語して主家を恥しめざるは、い奴かな」と云って命を助けて、お側衆にしてくれた。
小田原陣 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
思わず釣りこまれてどもった与吉はッとして眼をあげたとたん、大柄な殿様の顔が、いやつとでも言うようにニッコリ一笑したのを見た。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「のろま——中納言様は、のろまはい奴じゃと仰せになりました」
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ここに天皇、大山守の命と大雀の命とに問ひて詔りたまはく、「汝等みましたちは、兄なる子と弟なる子と、いづれかしき」と問はしたまひき。
ひと味宿うまいずてしきやしきみすらをりてなげくも 〔巻十一・二三六九〕 柿本人麿歌集
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
なお、「石走いはばしる垂水の水のしきやし君に恋ふらく吾がこころから」(巻十二・三〇二五)という参考歌がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
古代日本語の習慣で言ふと「カナしき何某」、もつと古い言ひ方だと、語根風になつたかなしを用ゐて「カナし何某」と言ふ所だ。
日琉語族論 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
にほとりの 葛飾早稲カツシカワセニヘすとも、カナしきを、に立てめやも(万葉集巻十四)
古代生活に見えた恋愛 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
筑波嶺に雪かも降らる。否諾イナヲかも。カナしき児等コロニヌさるかも(巻十四)
花の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
爾曹なんぢらの敵をいつくしみ、爾曹なんぢらのろふ者を祝し、爾曹なんぢらを憎む者を善視よくし、虐遇迫害なやめせむるものゝ爲に祈祷せよ。」
きぬの裏の玉といつくしまれ、何でもかでも言成いいなり次第にオイソレと仕付けられたのが癖と成ッて
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
かの新婦はなよめ——即ち大聲おほごゑによばはりつゝ尊き血をもてこれとえにしを結べる者の新婦——をしてそのいつくしむ者のもとくにあたり 三一—三三
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
感情の南方地帯に属するもの、即ち所謂「情緒」は、それ自らラブの本有感であるゆえに、博愛や人道やの、すべての柔和なる道徳情操を基調している。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
夫にラブしとるということをもって、大なる恥辱と心得るような見得坊がまたあるかい、しからんじゃあないか。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
今にして思えば友がそのとき立腹したのみならず、私がラブの人であることを否認したのは根拠があった。
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
かつがつも いや先立てる をしまかむ。 (歌謠番號一七)
どしおえどし。
鹿踊りのはじまり (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
の御社の大神よ
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
彼は実に生をおしまざりしに非ず、欲せざりしに非ず、彼は惰夫だふが事に迫りて自らくびるるが如き者に非ず、狂漢が物に激して自ら腹をくが如きに非ず、彼はもとより生を愛し死を避けんと欲したるに相違なし。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
公私の財をついやすもおしむにいとまあらず。
おしむ可き家族も無い。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
あひらしき言葉ことばかけらるゝときには、みちそむかばそむ嗤笑ものわらひにならばなれ
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あひひかりをあふがしめずや。
友に (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
あひ』のはな
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
そして、大切そうに皆に取り巻かれ、気分もよほどよくなったらしい面持ちをしながら、家からの迎えを待っている若者を眺めてから、いつくしみに満ち充ちた心を持って、裏口から誰も気の付かないうちに、さっさと帰って行ってしまった。
禰宜様宮田 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
あの老人は、なるほど、良いむすめである間は、そなたをいかほどもいつくしもうが、一度、心にそむき、自分の栄華栄達の道具に使えぬとわかったときには、子にもせよ、娘にもせよ、もはやかたきとして憎むほかはないであろう——
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
いつくしみの微妙さを 思う。
五月の空 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
歌津子は空を仰いだり彼らの歌に耳をすまして微笑ほほえんだり、今買った京人形をいとおしんだりして歩いていた。
青草 (新字新仮名) / 十一谷義三郎(著)
それは日輪の下に一つの花芯かしんをつつんで生命をいとおしみあう花弁のむつみと違わない。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蕭条しょうじょうとした山野の中を、孤独に寂しく漂泊していた旅人芭蕉が、あわれ深く優美に咲いた野花を見て、「かさに挿すべき枝のなり」といとおしんだ心こそ、リリシズムの最も純粋な表現である。
郷愁の詩人 与謝蕪村 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
うつくしみいもひとみなのごとめやかずして 〔巻十二・二八四三〕 柿本人麿歌集
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
かれここに伊耶那岐の命のりたまはく、「うつくしき汝妹なにもの命を、子の一木ひとつけへつるかも」とのりたまひて
うつくしと念ふ吾妹をいめに見てきてさぐるに無きが不怜サブシサ (巻十二。二九一四)
『さびし』の伝統 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
「勉励も非常だが、第一いかに軍人は生命いのちしまんからッて、命の安売りはここですと看板もかけ兼ねん勢いはあまりだと思うね」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
世間の交際を重んずるの名を以て、附合つきあいの機に乗ずれば一擲千金いってきせんきんもまたしまず。
教育の事 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
去年去られし時、かの家に属するものをばことごとく送りしも、ひとりこれのみしみて手離すに忍びざりき。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
爾に、伊邪那岐ノリ給わく、ウツクしき我が那邇妹ナニモの命や、子の一木ヒトツキに易えつるかもと詔給いて、御枕方ミマクラベ匍匐ハラバい、御足方ミアトベに匍匐いて、哭給う。
比較神話学 (新字新仮名) / 高木敏雄(著)
幹毎モトゴトに花は咲けども、何とかも ウツクし妹がまた咲き出来デコぬ(孝徳紀)
万葉集研究 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
もゝたらず山田の道をナミく藻のウツクツマと語らはず別れし来れば……霊あはゞ君来ますやと……たまぼこの道来る人のちとまりいかにと問はゞ答へやるたつきを知らにさにつらふ君が名言はゞ色に出でて人知りぬべみ あしびきの山より出づる月待つと人には言ひて君待つ吾を
この珍貴ウヅ感覚サトリを授け給ふ、限り知られぬメグみにちたよき人が、此世界の外に、居られたのである。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
この珍貴ウヅ感覺サトリを授け給ふ、限り知られぬメグみに充ちたよき人が、此世界の外に、居られたのである。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
この珍貴ウヅ感覺サトリを授け給ふ、限り知られぬメグみに充ちたよき人が、此世界の外に、居られたのである。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
「さ百合ゆりゆりも逢はむと思へこそ今のまさかもうるはしみすれ」(巻十八・四〇八八)等の例がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
うるはしみおもふ。 (歌謠番號四七)
ここに阿遲志貴高日子根の神、いたく怒りていはく、「我はうるはしき友なれ二七こそ弔ひ來つらくのみ。何ぞは吾を、穢きしに人にふる」といひて、御佩みはかしの十つかの劒を拔きて、その喪屋もやを切り伏せ、足もちてゑ離ち遣りき。
双方、気軽な応対のうちに、親しみがある、情味が見える。石舟斎は、長政の恩師であり、長政は、石舟斎のまな弟子だった。
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それも、そうだが、荒木は、柳生宗矩むねのり殿の弟子として、又右衛門という但馬守殿の通称を、譲られた位のまな弟子故と——今一つは、例の河合又五郎の一件に、助太刀をしてもおるし、一期の晴れの場所故、一生の思出として、荒木も出たかろうし、但馬殿も、出したかったのであろう」
寛永武道鑑 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
(北の旅の春の夕べ港のほとりに宿泊すれば、アイルランドの海辺の風景は旅人の愁いを消すに価する。雲と水がはるかに広がる眺望の果てに、青山がかすかに見えるのはまさに蘇州スコットランドである。)
南半球五万哩 (新字新仮名) / 井上円了(著)
(北のかたに遊び、その夜は港に宿泊した。アイルランドの海の風景は旅人の思いを慰める。雲と水ははてしなくひろがり、さらにその果てをみるに、青い山がかすかに見え、その地は蘇州スコットランドである。)
西航日録 (新字新仮名) / 井上円了(著)
彼らはその時二人いっしょに医者の門を出て、晩飯を食いながら、セックスラヴという問題についてむずかしい議論をした。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
君がラヴに失敗して苦むのもじや、或人が金銭マネエの為に苦むのも、苦むと云ふ点に於ては差異かはりは無いぞ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
江戸歌舞妓の歴史をしむ二老人にとつては、堪へられぬものがあつた。
市村羽左衛門論 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
甚重イヤフタごもり しと思ふ(仁賢紀)
日本文章の発想法の起り (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
よく人になれてはなはだあいすべきもの也。
いかに殿様がああおっしゃって下さればとて、あの泣き叫ぶ城下の人々、先の短い老人やあどけない女子供を、どうして、城とともに見殺しにすることができましょうか。
奥から子供をあやしている女中の声が洩れて来た。夫人が誰かと話している声も聞えた。客は女らしい、はなやかな笑い声もするようである。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
しばらく女中と二人で、子供をあっちへ取りこっちへ取りして、あやしていた。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)