“う”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:
語句割合
6.6%
6.3%
5.7%
5.0%
4.6%
4.2%
4.2%
4.1%
4.0%
3.5%
(他:2077)51.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その無邪氣むじやき態度たいどおもひ、その笑顏ゑがほおもひ、おもはずつくゑつて
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
それから、イミテーションは外圧的の法則であり、規則であるという点から、唯こわしていというものではない。
模倣と独立 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
今は疑うべき心もせて、御坊様、と呼びつつ、紫玉が暗中をすかして、声するかたに、すがるように寄ると思うと、
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかし、かく異境に散りせ、たがいに孤立していても、よき人種の個性は存続して、周囲のものと交混することがないのだ。
午後は読書にんで肱枕ひじまくらめているところへ宿の主人が来た。主人はよく語るので、おかげで退屈を忘れた。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ここ久しく合戦もなく、長陣にみ、功名に渇していた魏の諸将は、われもわれもと司馬懿のゆるしを仰いで戦場へ飛び出した。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
旅人たびびとつゆわかてば、細瀧ほそだき心太ところてんたちまかれて、饂飩うどん
月令十二態 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
余はコロボックルの遺物いぶつたる是等の角噐はじつぶくろの口として用ゐられしならんとしんずるなり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
何時いつ大陸たいりくたつして、何時いつ橄欖島かんらんたうおもむべしといふ目的あてもなければ
裁判さいばん間違まちがいなどはありべからざることだとはわれぬ、そもそも裁判さいばん間違まちがい
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
どこまでも先見の明によって、天の幸福をける事のできた少数の果報者として、継子の前に自分を標榜ひょうぼうしていた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ようやく生き残って東京に帰った余は、病に因ってわずかにけえたこの長閑のどかな心持を早くも失わんとしつつある。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
だからこの夢に見るほど感心した頭が自分の監督組の生徒であると聞いて、思わずそうかと心のうちで手をったのである。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
案をって快哉かいさいを叫ぶというのは、まさに求めるものを、その求める瞬間に面前にらっしきたるからこそである。
科学と文学 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
「どうして、おまえは、そんなにまれわったように、おもしろそうにわらうようになったか?」といました。
笑わない娘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ですがわたしは、そのひとわたしの「みのはヽ」であるといふことをたしかめるのをおそれました。
桜さく島:見知らぬ世界 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
しばらく、物く、たく、しかも陽気な世の中が自分にまみえた。自分は娯しい中に胸迫るものを感じ続けて来た。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
世間よのなかしとやさしとおもへどもちかねつとりにしあらねば 〔巻五・八九三〕 山上憶良
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
天人のころもはけむりのようにうすくその瓔珞ようらく昧爽まいそう天盤てんばんからかすかな光をけました。
インドラの網 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
かけひみづくるとて、嫁菜よめなくきひとみつゝ、やさしきひとこゝろかな
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
私のごうめつしないのでせうから、この世に未練は沢山有るけれど、私は早く死んで、この苦艱くげんめて了つて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
きっと今年は去年きょねん旱魃かんばつめ合せと、それから僕の授業料じゅぎょうりょうぐらいをってみせる。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
厳冬の一夜佐藤氏は演説に出で、予一人二階の火もかざる寒室に臥せ居ると、吹雪しきりに窓をって限りなくすさまじ。
さすがに我強がづよい刀自たちも、此見覚えのある、美しい箱が出て来た時には、暫らくたれたように、顔を見合せて居た。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
伏屋ふせやかどの花も、幽霊のよろいらしく、背戸の井戸の山吹も、美女たおやめの名の可懐なつかしい。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
京都内外の古い大きな神社でも、さるの日とりの日またはの日等を以て、毎年の例祭を執り行うものが、稀ではない。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
するとそこのうちの人たちは、なるほどそれはがたいが、やするといってもさしあたりおかねがない。
一本のわら (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
そのとき、金魚きんぎょりは、正雄まさおっていたあおいボタンをつけて、をまるくしながら、
青いボタン (新字新仮名) / 小川未明(著)
この間二三度刺客達は、討ち果そうとして走りかかったが、安房守の威厳にたれたものか、いつも途中で引き返してしまった。
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その仲のよい友達同士が、あいあいたわむれる光景は必ず馬鹿者の下界人にも、興味あることでございましょう。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ガラッ八は思わず飛上がりました。真物ほんものの銭形平次の頬には、左にも右にも、の毛ほどの汚点しみもありません。
この時の歌に、「玉藻苅る辛荷の島に島回しまみするにしもあれや家はざらむ」(巻六・九四三)というのがある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
三寸の緑から鳴きはじめた麦の伶人れいじんの雲雀は、麦がれるぞ、起きろ、急げと朝未明あさまだきからさえずる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「富士一つうづみ残して青葉あをばかな」其青葉の青闇あおぐらい間々を、れた麦が一面日のの様に明るくする。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
数日の間に第一の良人おっとを刺され、第二の良人をたれた彼女の悲しみは、最早もはや彼女の涙をさそわなかった。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
女の子は腹を波打たして笑い出した。二、三段ほど下りたときであった。突然、灸の尻はたれた鳥のように階段の下まで転った。
赤い着物 (新字新仮名) / 横光利一(著)
此の断岸絶壁のような智識に、清浅の流れ静かにして水は玉の如き寂心が魔訶止観まかしかんを学びけようとしたのであった。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
そして、それがだんだん落ちて来て風の前に来たので、手で以てけたが、不思議に断れていた紐がもとのようにつながっていた。
五通 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
ぶたのように子供をみつづけ――わたしは机の抽斗ひきだしの奥へばたりとこの文放古ふみほごほうりこんだ。
文放古 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
其時代助の脳の活動は、夕闇ゆふやみを驚ろかす蝙蝠かはほりの様な幻像をちらり/\とすにぎなかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ちょうど、国境こっきょうのところには、だれがえたということもなく、一株ひとかぶばらがしげっていました。
野ばら (新字新仮名) / 小川未明(著)
小鳥ことりは、おびえたはな公園こうえん花壇かだんのすみのところにえますと、はなかえりみて、
公園の花と毒蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
蒸籠せいろうを下ろして、蒸したてのホヤホヤと煙の立つのを、えた腹で見た竜之助は、飛びついて頬ばりたいほどに思う。
久吉が暗い台所から持ち出して来た盆からはゑたお幸に涙をこぼさせる程の力のある甘いにほひが立つて居ました。
月夜 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
そしておほくのおまへ兄妹きやうだいたちが、土地とちはれ職場しょくばこばまれ、えにやつれ
リント少将は、ピストルをにぎって勝ってみるのはいいが、少将は、やがてこの戦車の中で、えと寒さのため死んでしまうだろう。
地底戦車の怪人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
時々眼を開いて見ると、部屋の中まで入って来るえた鼠の朦朧と、しかも黒い影が枕頭まくらもとに隠れたり顕れたりする。
岩石の間 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ふだん陰気なくせに、一たん向けられると、何という浅ましくがつがつ人情にえている様子を現わす年とった男だろうと思う。
(新字新仮名) / 岡本かの子(著)
当方より進んでその嶮岨けんそな地勢にり、要所要所を固めてかかったなら、敵をち取ることができようと力説した。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
きました。子がには、さるおやがにをころしたから、かたきをちたいといますと、くりは、
猿かに合戦 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
彼女たちにこんなのを見せたら、なんてイヤ味ッたらしいんだろうと、一言の下に軽蔑けいべつされることけ合いである。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「ナアニ、神尾とやら申す青侍一匹、ウフフ拙者ひとりで沢山だ。みんな寝ちまえ、寝ちまえ! ついでに、酒も独りでひきけた」
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
半七老人はその当時の光景を思いかべたように、大きい溜め息をついた。それに釣り込まれて、わたしも思わず身を固くした。
半七捕物帳:50 正雪の絵馬 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「――わしの性分か。わしは大河のこの悠久なおもむきが妙に好ましい。川へかぶと、心もいつか暢々のびのびしてくる」
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
寛永年間かんえいねんかんに日本へ渡り来って、いまは各地に繁殖はんしょくしているが、しかし多くはえられてある。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
この辺はことにいつも強い風の当たる所で、砂除けにえられた黒松の林が、ほとんど成長している暇もなかったらしく見える。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
――見るにたえず、高直は下にうずくまったが、顔を上げたとき、もうその人はくれないの座に前身をせていた。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
矢も、火の粉も、家のなかまで飛んで来た。凄まじい表の武者声に、彼女の母は、耳をふさいだまま、室の外にっ伏していた。
日本名婦伝:静御前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ぎょッと、二人は何かの物音に、本能的に立ち上がった。――と、すぐにその気配が、大きな音響になって、二人の耳をった。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
左典のいう神力とは何であるか、新九郎にもよく解せなかったが、仙味を帯びた老禰宜の風格にはたれるような威厳があった。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)