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鍛
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う
ふりがな文庫
“
鍛
(
う
)” の例文
金重の
鍛
(
う
)
った鋏はジョキリと一鋏で
真直
(
まっすぐ
)
に剪れるので大層に行われました。金重は六十五になりますが、無慾な爺さんでございます。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「これやみんな、てめえのために、夜の眼も寝ずに
鍛
(
う
)
った小柄だから、ここにあるだけくれてやる。からだに仕舞って持ってゆけ!」
野槌の百
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いや! たとえわたしの先祖が
鍛
(
う
)
ったところで、いまは、刀はあくまでも小野塚家のもの、わしとてもそれに、指一本
触
(
ふ
)
れようとは思い申さぬ。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
どうかして
彼奴
(
きやつ
)
の正体を見届けて呉れようと思つたのですが、亡者の
磔
(
はりつけ
)
につかふ釘を
鍛
(
う
)
つ悪魔そつくりに、顔ぢゆうを煤で塗りたくつてをりますのでして。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:05 五月の夜(または水死女)
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
少禄
(
しょうろく
)
の者ではまず手中しがたい! しがたいとするなら、いうまでもなく高禄の者が、それもよほどの
数寄者
(
すきしゃ
)
好事家
(
こうずか
)
が、買うか、
鍛
(
う
)
たせたかに相違ないのです。
右門捕物帖:20 千柿の鍔
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
▼ もっと見る
チョン
髷
(
まげ
)
を結った
阿爺
(
おとっ
)
さんが
鍛
(
う
)
ってくれたのだ。高瀬はその鉄の目方の
可成
(
かなり
)
あるガッシリとした柄のついた鍬を提げて、家の裏に借りて置いた畠の方へ行った。
岩石の間
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
どこでそんなものを
鍛
(
う
)
つんだろう? 何か工場のようなものでも地獄にあるのかな? でも修道院では坊主どもはきっと、地獄に天井があるものと考えてるんだろう。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
此人の
鍛
(
う
)
つた包丁は
刄
(
は
)
が脆いといふ評判、結局は其土地を喰詰めて、五年前にこの村に移つた。
赤痢
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
早速、近郷の
鍛冶工
(
かじこう
)
をよんできて、張飛は、一丈何尺という
蛇矛
(
じゃぼこ
)
を
鍛
(
う
)
ってくれと注文し、関羽は重さ何十斤という
偃月刀
(
えんげつとう
)
を
鍛
(
きた
)
えさせた。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
造酒は、
傍
(
かたわ
)
らの愛刀、
阪東
(
ばんどう
)
二
郎
(
ろう
)
幸村
(
ゆきむら
)
の
鍛
(
う
)
って
野分
(
のわけ
)
の称ある逸剣を取って、ニヤニヤ笑いながら、「
金打
(
きんちょう
)
しよう」
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
富「是はアノ
宅
(
うち
)
のお
父
(
とっ
)
さんが
鍛
(
う
)
って置いたお
誂
(
あつら
)
えのすえが一挺残ってあるんですが、お役に立つか立たないか知りませんが、お使い料になすってくださいな」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
以前
(
もと
)
十里許り離れた某町に住つてゐたが、鉈、鎌、
鉞
(
まさかり
)
などの荒道具が得意な代り、此人の
鍛
(
う
)
つた包丁は刃が脆いといふ評判、結局は其土地を喰詰めて、五年前にこの村に移つた。
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
鎌だの
犁
(
すき
)
だのを
鍛
(
う
)
ちをつたになあ! それに、ええ力持ぢやつた! ほんとに
ディカーニカ近郷夜話 後篇:02 降誕祭の前夜
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「もっと痩せろ。そち達、少年の肉は、刀のごとく
鍛
(
う
)
って
鍛
(
う
)
って細身にするほど斬れ味はよくなるものだぞ。さ、つづいて来い」
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
臨終の際まで精根を
涸
(
か
)
らし神気をこめて
鍛
(
う
)
ったと言い伝えられている夜泣きの大小、乾雲丸と
坤竜丸
(
こんりゅうまる
)
を……というので、全国に手分けをして物色すると、いまその
一腰
(
ひとふり
)
は
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
自分の
鍛
(
う
)
つ剣に、自分が抱いた新しい信念を吹きこんで、その
一口
(
ひとふり
)
を、彼はまず、佐久間象山へ贈ろうと、発心したのであった。
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かれの
鍛
(
う
)
つところの刀は、にえ至って細く、三杉の
小亀文
(
みだれ
)
が多くまたすずやきもあり、ことにその二代兼元なる関の孫六となると、新刀最上々の
大業物
(
おおわざもの
)
として世にきこえているが
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
『聞いているか、大夫のことじゃ、存分、
鍛
(
う
)
ち込んであろう、侍は、奉公じゃ、ほかに仕事はない。山鹿先生の士道を読んだか』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「こやつ。国吉の
鍛
(
う
)
ったこの鉄砲の試しには、ちょうどよい生き物だ。
彼方
(
むこう
)
の
墻
(
かき
)
のそばへ引き立て、木に
縛
(
くく
)
って立たせておけ」
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『——下の
抽斗
(
ひきだし
)
じゃ。この正月、
山浦真雄
(
やまうらさねお
)
が
鍛
(
う
)
ち上げて来た一腰があるじゃろう。二尺六寸ほどな物で、新しい
木綿
(
もめん
)
に巻き、まだ
白鞘
(
しらさや
)
の儘で』
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「武蔵野ばかりにゃ月は照らねえ。どこの野末で、
馬沓
(
まぐつ
)
を
鍛
(
う
)
っても、おら、おめえの一人ぐらい、これから先はきっと安気に送らせるからな」
野槌の百
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
野鍛冶の
鍛
(
う
)
った小柄が、一本いくらに売れるかと考えれば、十年、
槌
(
つち
)
の鬼になって稼いでも、二百両の金が
蓄
(
た
)
まるかどうだか。百も、知っていた。
野槌の百
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今、早速に、其方が鍛ちにかかっている山寺源太夫様の御下命の品にせよ、ここで
一際
(
ひときわ
)
、
優
(
すぐ
)
れた
刀
(
もの
)
を
鍛
(
う
)
ち上げねば、名折れの上の名折れになろうと
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
武蔵が今、数本の中から握り取った刀には、
鞘
(
さや
)
の上から握っただけでも、何かしら、それを
鍛
(
う
)
った刀鍛冶の魂が手にこたえてくるような気がした。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
おれの親方の
鍛
(
う
)
った矢の根は、
南蛮鉄
(
なんばんてつ
)
でも
射抜
(
いぬ
)
いてしまうってんで、ほうぼうの
大名
(
だいみょう
)
から何万ていう仕事がきているんだ。おれはそこの
秘蔵
(
ひぞう
)
弟子だ
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
祖父
(
おじい
)
さんは、百姓だった。その百姓から身を起して、一旗挙げようとした時に、これを刀鍛冶に
鍛
(
う
)
たせなすった。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
おめきながら割って入り、先ごろ
鍛
(
う
)
たせたばかりの丈余の
蛇矛
(
じゃぼこ
)
——
牙形
(
きばがた
)
の
大矛
(
おおぼこ
)
を先につけた長柄を舞わして、賊将程遠志の
盔
(
かぶと
)
の鉢金から馬の背骨に至るまで斬り下げた。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
後ではさだめし、不浄者とお思いになりましょうが、範宴はもいちど自分を
鍛
(
う
)
ち
直
(
なお
)
して参ります。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
拝借するといわなかったのは、もう是非に
関
(
かか
)
わらず、返す気持が起らなかったからである。名工の
鍛
(
う
)
った名作には、人の気持をそこまでつかむ怖ろしい力が必然あるのであった。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
三条小鍛冶
(
さんじょうこかじ
)
という名工がひところ住んでいて、それから、ここの池の水が、刀を
鍛
(
う
)
つのによいというので、諸国から、刀鍛冶が集まって、いつのまにか、一つの鍛冶
聚落
(
ぶらく
)
ができていた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
姉川
(
あねがわ
)
だって、
長篠
(
ながしの
)
だって、こっちの大勝ちはあたりめえなことさ。おれたちの
御大将
(
おんたいしょう
)
はべつもんだが、
憚
(
はばか
)
りながらおれたちの
鍛
(
う
)
ったものには、槍一本、
鏃
(
やじり
)
ひとつにも気が入っているんだ。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「なるほど……。今の世には、書をかくより、歌をよむより、刀を
鍛
(
う
)
つ人間のほうが、求められているとみえる」一軒の
鍛冶
(
かじ
)
小屋の前に立って、宗業は、漠然と、鍛冶のする仕事を眺めていた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鍛冶
(
かじ
)
といっても、無論、鎌や
鋤
(
すき
)
の耕具をもッぱらに
鍛
(
う
)
つ野鍛冶でありましょう、
主
(
あるじ
)
というのは半五郎といって、白毛まじりの髪の毛から見れば、もう年配も五十の坂をだいぶこえているらしいが
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
なかなか
業刀
(
わざもの
)
らしいので、武蔵が、
詰問
(
きつもん
)
すると、男は、これは自分の
鍛
(
う
)
った刀で、実は、あなたの体を借りて、自身で鍛ったこの刀の切れ味を試してみようとしたのですと、不心得を謝して云った。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今が今——というように、小六から
性急
(
せっかち
)
にいいつけられて、鍛冶小屋へ飛んで戻るなり、鉄砲の関金を
鍛
(
う
)
ち直していた国吉は、邸のうちに何が起ったのも、時が経ったのも、物音も一切知らなかった。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
このわれらをして、天下
鍛
(
う
)
ち直しの大善業に向けしめ給わるよう。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鍛
常用漢字
中学
部首:⾦
17画
“鍛”を含む語句
鍛冶
鍛冶町
鍛工
鍛工場
鍛冶工
鍛冶屋
鍛錬
刀鍛冶
小鍛冶
鍛冶場
神田鍛冶町
鍬鍛冶
鍛冶屋町
鍛冶屋派
鍛刀
鍛冶橋
鍛練
不鍛錬
野鍛冶
鍛鉄
...