“一口”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
ひとくち51.0%
ひとふり43.9%
いもあらい2.0%
いっこう1.0%
いつこう1.0%
しとくち1.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
割箸わりばしを添えて爺が手渡すどんぶりを受取って、一口ひとくちすすると、なまぐさいダシでむかッと来たが、それでも二杯食った。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
おのずからほかの者と違う処があるから、一緒になってワイ/\云て居ながら、マア一口ひとくちに云えば、同窓生一人も残らず自分の通りになれ
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
一口ひとくちはちひましても、木曾きそ賞美しやうびするのは地蜂ぢばちからつただけです。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
道理で、辻斬りが流行はやるというのにこのごろはなお何かに呼ばれるように左膳は夜ごとの闇黒やみに迷い出る——もう一口ひとふりの刀さがしに!
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
平次は落着払ってその下を見ると、底の方へ押込むように入れてあるのは、一口ひとふり匕首あいくち、抜いてみると、思いの外の凄い道具です。
若侍は鷹揚おうように二ツ割の青竹の筒を出した。それを開くと中から錦の袋が出た。その袋の中からは普通の脇差わきざし一口ひとふり
備前天一坊 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
一口いもあらいのあたりへかけ、長江悠々として千鳥のこえも此処彼処こゝかしこにきこえ、遠浦の帰帆、漁村の夕照、四季おり/\の風情ふぜいおもしろく
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
ええ、そのちょうさんが、今度はこの国へなだれ込むんだそうでございまして、今までのは、この国からちょうさんが他の国へ走ろうといたしたのでございましたが、今度は山城、大和方面からちょうさんが、この国へ流れ込もうというわけで、宇治、勢多、一口いもあらいの方まで参っているそうでございますから
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
五百は幼くて武家奉公をしはじめた時から、匕首ひしゅ一口いっこうだけは身を放さずに持っていたので、湯殿ゆどのに脱ぎ棄てた衣類のそばから、それを取り上げることは出来たが、衣類を身にまといとまはなかったのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
彼のふところを出でたるは蝋塗ろぬりきらめ一口いつこうの短刀なり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「そうだろうてネ、可愛かわいい息子さんの側へ来るんだものヲ。それをネー何処どこかのしとみたように親を馬鹿にしてサ、一口しとくちいう二口目にはじきに揚足を取るようだと義理にも可愛いと言われないけれど、文さんは親思いだから母親さんの恋しいのもまた一倍サ」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)