“湯殿”の読み方と例文
読み方割合
ゆどの100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かの女は、良人にもだれにもおかさせない塗籠ぬりごめの一室をもち、起きれば、蒔絵まきえ櫛笥くしげや鏡台をひらき、暮れれば、湯殿ゆどのではだをみがく。
夏の終りごろ、お葉の家は一時湯殿ゆどののない家に引き移らねばならなかつたのである。彼女は母親について新しい家に行つたのであつた。
三十三の死 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
揚座敷のほうは、いわゆる独房で、縁付へりつき畳を敷き、日光膳にっこうぜん、椀、給仕盆などが備えつけてあり、ほかに、湯殿ゆどの雪隠せっちんがついている。
顎十郎捕物帳:08 氷献上 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)