“一方口”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いっぽうぐち70.0%
いつぱうぐち30.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
片方は大河おおかわさえぎられているから、この一方口いっぽうぐちのがれるほかには逃げ道はなく、まるで袋の鼠といった形……振り返れば、諏訪町、黒船町は火の海となっており
一方口いっぽうぐちで寝室だとばかり思込んでいたのは、飛んだ間違いで、その部屋にはほかに出口があったのだ。
猟奇の果 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ロダン夫人は無雑作に一方口いつぱうぐち入口いりくちからはひつて来られた。背の低い婦人である。白茶しらちやに白いレイスをあしらつた上被タブリエ風のひろい物を着てられる。自分の手を最初に執つて
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
御米およねびにたうとするのを、ようはないからいとめたまゝ宗助そうすけ炬燵蒲團こたつぶとんなかもぐんで、すぐよこになつた。一方口いつぱうぐちがけひかえてゐる座敷ざしきには、もう暮方くれがたいろきざしてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)