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いつぱうぐち
ロダン夫人は無雑作に
一方口の
入口から
入つて来られた。背の低い婦人である。
白茶に白いレイスをあしらつた
上被風の
濶い物を着て
居られる。自分の手を最初に執つて
御米が
呼びに
立たうとするのを、
用はないから
可いと
留めた
儘、
宗助は
炬燵蒲團の
中へ
潛り
込んで、すぐ
横になつた。
一方口に
崖を
控えてゐる
座敷には、もう
暮方の
色が
萠してゐた。
突当りの
芥溜わきに
九尺二
間の
上り
框朽ちて、雨戸はいつも不用心のたてつけ、さすがに
一方口にはあらで山の手の
仕合は三尺ばかりの椽の先に草ぼうぼうの空地面、それが
端を少し囲つて
青紫蘇