“上被”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うわっぱり31.3%
うはつぱり12.5%
うわぎ12.5%
うわっぱ12.5%
タブリエ12.5%
うはおほひ6.3%
うはつぱ6.3%
うわおお6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、雨もりのような形が動くと、紺の上被うわっぱりを着たおんなになって、ガチリと釣ランプをひねって離して、かまちから直ぐの階子段はしごだん
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
『むゝ、あれが御話のあつた種牛ですね。』と蓮太郎は小声で言つた。人々は用意に取掛かると見え、いづれも白の上被うはつぱり、冷飯草履は脱いで素足に尻端折。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
調剤の時には、春子はいつも真っ白な上被うわぎをかけ、うぶ毛のはえた柔かな腕を、あらわに出していた。次郎にはその姿が非常に清らかなもののように思われた。
次郎物語:01 第一部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
うしろから陽をうけて、紺セルの上被うわっぱりの肩や後毛のさきについたこまかいごみを目立たせながら、おさやが店の土間へ入って来た。
猫車 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
ロダン夫人は無雑作に一方口いつぱうぐち入口いりくちからはひつて来られた。背の低い婦人である。白茶しらちやに白いレイスをあしらつた上被タブリエ風のひろい物を着てられる。自分の手を最初に執つて
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
依田竹谷よだちくこく、名はきんあざなは子長、盈科齋えいくわさい、三谷庵こくあん、又凌寒齋りようかんさいと號した。文晁ぶんてうの門人である。此上被うはおほひに畫いた天保五年は竹谷が四十五歳の時で、後九年にして此人は壽阿彌にさきだつて歿した。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
おまけに、もえ夜具やぐぶろしきを上被うはつぱりにかけて、つゝんでた。ひとつはそれにたいする敵愾心てきがいしんくははつたので。……奮發ふんぱつした。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
新吉は部屋へ帰ると畳込みになって昼はソファの代りをする隅のベッドの上被うわおおいのアラビヤ模様の中へ仰向けにごろりと寝た。
巴里祭 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)