“うわっぱり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
上被50.0%
被服10.0%
上着10.0%
上張10.0%
上衣10.0%
上被衣10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこでは、白い上被うわっぱりを着た保母さんがいて、御飯の世話をやき、少し大きくなったら、御飯のあとでアルミニュームのお皿を洗うことも教えてくれた。
楽しいソヴェトの子供 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
蹲踞しゃがんで出刃をみがくものもある。寒い日の光は注連しめを飾った軒先から射し入って、太い柱や、そこに並んで倒れている牛や、白い被服うわっぱりを着けた屠手等の肩なぞを照らしていた。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
人々は互に新年の挨拶を取換とりかわした。屠手の群はいずれも白い被服うわっぱりを着け、素足に冷飯ひやめし草履という寒そうな風体ふうていで、それぞれ支度を始める。庭の隅にかがんで鋭い出刃包丁でばぼうちょうぐのもある。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
青々とした菜をしょって帰って行く子供もあり、男とも女とも後姿の分らないようなのが足速あしばやに岡の道を下って行くもあり、そうかと思うと、上着うわっぱりのまま細帯も締めないで
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
殊にその女房が箕を高く差揚げ風に立てているのが見える。風は身に染みて、冷々ひやひやとして来た。私の眼前めのまえに働いていた男の子は稲村に預けて置いた袖なし半天を着た。母も上着うわっぱり塵埃ほこりを払って着た。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
だから今日は一つ、われわれの大きなお祖母ばあさんともいうべきこの地球が、まだ上張うわっぱりを着て、よだれかけをかけていたような時代に、よろこんで聞いたような、大昔のお話をして上げよう。
女に云うてく程なら、遠くから影を見ても、上衣うわっぱりの熊の毛まですくすく立つおんに、、誰が頼む、考えんかい。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
満更まんざら容色きりょうではないが、紺の筒袖つつそで上被衣うわっぱりを、浅葱あさぎの紐で胸高むなだかにちょっとめた甲斐甲斐かいがいしい女房ぶり。
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)