“甲斐甲斐”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かいがい94.4%
かひがひ5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
乳母は幼児の手を取るようにして、瀕死の父の膝の前に坐らせ、自分は甲斐甲斐かいがいしく、主人のうしろに廻って、繩を解くのであった。
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
五反田ごたんだの、島津公分譲地の傍に三十円の家を借りて住んだ。Hは甲斐甲斐かいがいしく立ち働いた。私は、二十三歳、Hは、二十歳である。
しかもやうやく帰つて来ると、雨外套あまぐわいたうも一人では脱げない程、酒臭い匂を呼吸してゐた。信子は眉をひそめながら、甲斐甲斐かひがひしく夫に着換へさせた。夫はそれにも関らず、まはらない舌で皮肉さへ云つた。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
どりやうはぎ甲斐甲斐かひがひしくも、きりりと羽織はおつたお月さま
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)