“コート”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
上衣62.5%
外套25.0%
被布12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あとはネクタイ、ズボン、胴衣チヨツキ上衣コート、と苦もなく着せられ、白の手套てぶくろは胸のポツケツトに半分出して入れて置くものと教へられて、此れで装束は一先づ成りぬ。
燕尾服着初めの記 (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
相手は外套コートの襟を立てて、中折のひさしを目深におろし、色眼鏡いろめがねをかけた若い男です。
九つの鍵 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
彼女は腕にかけてゐた被布コートを投げ棄てて、堤に駈けあがると、水浴でも済ませたらしい裸馬を曳いて来る人を呼び止めて切りと頼んでゐた。
繰舟で往く家 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
向岸の舟着場を見降ろす裏門の扉に、花びらの散る退紅色ときいろ被布コートを来た娘が、胸の上に袖を重ねてぐつたりと凭りかかつてゐた。——彼は小指を口にふくんで、笛を鳴らした。
繰舟で往く家 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)