“コオト”の漢字の書き方と例文
ひらがな:こおと
語句割合
上衣100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その蔵屋という方の床几しょうぎに、腰を懸けたのは島野紳士、ここに名物の吹上の水に対し、上衣コオトを取って涼をれながら、硝子盃コップを手にして
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「暫らく。」「さあ、御上り。生憎あいにく僕一人だが。」「照子は? 留守?」「使に行つた。女中も。」——信子は妙に恥しさを感じながら、派手な裏のついた上衣コオトをそつと玄関の隅に脱いだ。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
……上衣コオト無しで、座敷着の上へ黒縮緬くろちりめん紋着もんつきの羽織を着て、胸へ片袖、温容しとやかつまを取る、かさねたもすそしっとりと重そうに、不断さえ、分けて今夜は、何となく、柳を杖にかせたい
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
吾妻下駄をからりと鳴して、摺下ずりさがる褄を上衣コオトの下に直した気勢けはい
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)