“温容”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おんよう85.7%
しとやか14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
或時あるときは松並木の間から、或時は断崖の上からそれを眺めて行く。その間湾を隔てて、いつも私達を見守っているのは、雲仙の懐かしい温容おんようである。
雲仙岳 (新字新仮名) / 菊池幽芳(著)
「やあ、帆村君」警部は、青年探偵帆村荘六のなごやかな眼をみた。事件の真只中まっただなかに入ってきたとは思われぬ温容おんようだった。
省線電車の射撃手 (新字新仮名) / 海野十三(著)
……上衣コオト無しで、座敷着の上へ黒縮緬くろちりめん紋着もんつきの羽織を着て、胸へ片袖、温容しとやかつまを取る、かさねたもすそしっとりと重そうに、不断さえ、分けて今夜は、何となく、柳を杖にかせたい
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と小さな袱紗ふくさづつみをちょっと口へ、清葉は温容しとやかなものである。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)