“温柔”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おとな72.3%
おんじゅう8.5%
おとなし4.3%
やさ2.1%
をんにう2.1%
おっとり2.1%
しとや2.1%
しなやか2.1%
やさし2.1%
ヲンジウ2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ギリシアのジオメデス王、その馬に人肉を飼ったが、ヘラクレス奮闘して王を殺し、そのしかばねを馬にわしむると温柔おとなしくなったという。
優雅、温柔おんじゅうでおいでなさる、心弱い女性にょしょうは、さような狼藉にも、人中の身を恥じて、はしたなく声をお立てにならないのだと存じました。
革鞄の怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私はう云ふお転婆、米ちやんはの通りの温柔おとなしやでせう、ですけども、うしたわけかく気が合ひましてネ、始終しじゆう往来ゆききして姉妹きやうだいの様にして居たんですよ、あゝ云ふことになる晩まで
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
ロミオ なに、こひ温柔やさしい? 温柔やさしいどころか、粗暴がさつ殘忍あらけなものぢゃ。荊棘いばらのやうにひとむねすわい。
わが愛するはなづさはる温柔をんにうの黒き眼にして
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
車を彩る青葉の緑、鼈甲べっこう中指なかざしに影が透く艶やかな円髷まるまげで、誰にも似ない瓜核顔うりざねがお、気高くさっと乗出した処は、きりりとして、しかも優しく、なまめかず温柔おっとりして、河野一族第一の品。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
之を機会に梅子は椅子いすを離れつ「失礼」と一揖いちいふして温柔しとやかに出で行けり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
妙子の手は、矢車の花の色に際立って、温柔しなやかな葉の中に、枝をちょいと持替えながら
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
先生様しのださまで私、驚きましたの、一寸お見受け申すと、何だか大変にこはさうで、不愛想の様で居らつしやいますが、心底に温柔やさしい可愛らしい所がおありなすつて
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
ねこ、(中略)人家ジンカチヒサキケモノヒトトコロナリ。温柔ヲンジウニシテヤスク、マタネズミトラフレバフ。シカレドモ竊盗セツタウセイアリ。カタチトラ二尺ニシヤクラズ。(下略げりやく
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)