温柔おんじゅう)” の例文
優雅、温柔おんじゅうでおいでなさる、心弱い女性にょしょうは、さような狼藉にも、人中の身を恥じて、はしたなく声をお立てにならないのだと存じました。
革鞄の怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
君子の音は温柔おんじゅうにしてちゅうにおり、生育の気を養うものでなければならぬ。昔しゅん五絃琴ごげんきんだんじて南風の詩を作った。南風のくんずるやもって我が民のいかりを解くべし。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
勇深ゆうしんなる者は温柔おんじゅうなる者、愛情あいじょう深き者は大胆だいたんなる者なり)
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
常の温柔おんじゅうおもてと語気にかえっていた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)