“おっとり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
押取50.0%
優悠16.7%
恍然16.7%
温柔16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かさねて、士の道に勝負しょうぶなくして首取無とるほうなく槍を合せ運を天に任せん、と申ければ、げに誤りたりと槍押取おっとり、床机の上に居直いなおりもせず、二三槍をあわせ、槍をすて、士の道は是迄也。
大阪夏之陣 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
彼女はいつでも優悠おっとりしていた。どっちかと云えばむしろ緩漫というのが、彼女の気質、またはその気質から出る彼女の動作について下し得る特色かも知れなかった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
けれどその笑いがいかにも罪がなく、無邪気であった。で、何処か私の死んだ婆さんに似た処があって恍然おっとりした処がある。私は、この老婆は果して罪のない老婆であろうか。
老婆 (新字新仮名) / 小川未明(著)
車を彩る青葉の緑、鼈甲べっこう中指なかざしに影が透く艶やかな円髷まるまげで、誰にも似ない瓜核顔うりざねがお、気高くさっと乗出した処は、きりりとして、しかも優しく、なまめかず温柔おっとりして、河野一族第一の品。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)