“こうぜん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:コウゼン
語句割合
昂然63.5%
浩然12.9%
哄然8.4%
公然4.5%
恍然2.2%
亢然1.1%
鏗然1.1%
虓然0.6%
向前0.6%
昴然0.6%
晃然0.6%
曠然0.6%
溘然0.6%
煌然0.6%
皎然0.6%
皓然0.6%
紅髯0.6%
鴻漸0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして腕組みをして昂然(こうぜん)とした態度を作つた。それには不自然なところがあつた。兄はありたけの勇を揮(ふる)つて弟の瞳に睨(にら)み合つた。
過去世 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
そういう御難儀を遊ばしていらッしゃるんでげすから、港々にお着(つき)遊ばしたときは些(ちっ)とは浩然(こうぜん)の気もお養いなさらずばお身体が続きますまい。
こんどは、哄然(こうぜん)たる声を、官兵衛は暗やみへ放った。そして詩でも吟じるがごとく、自嘲(じちょう)の感を、ひとり壁に向って云っていた。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
只(たゞ)彼等(かれら)の凡(すべ)ては藁(わら)を打(う)つて繩(なは)を綯(な)ふべき夜(よる)の務(つと)めを捨(すて)て公然(こうぜん)一所(しよ)に集合(しふがふ)する機會(きくわい)を見出(みいだ)すことを求(もと)めて居(ゐ)る。集合(しふがふ)することが直(たゞち)に彼等(かれら)に娯樂(ごらく)を與(あた)へるからである。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そのうちにアラユル妄想や、雑念が水晶のように凝(こ)り沈み、神気が青空のように澄み渡って、いつ知らず聖賢の心境に瞑合(めいごう)し、恍然(こうぜん)として是非を忘れるというのです。
狂人は笑う (新字新仮名) / 夢野久作(著)
錦太郎は勝利感に陶酔して亢然(こうぜん)となりました。
口中に臭気(しゅうき)あるを悟(さと)らず師の前に出でて稽古しけるに、春琴例のごとく三の絃(いと)を鏗然(こうぜん)と弾(はじ)きてそのまま三味線を置き、顰蹙(ひんしゅく)して一語を発せず
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
時に坐客数人まさに満を引く、虓然(こうぜん)の声左右にあるごとく酒几上(きじょう)に傾かざる者なしとあって、虎の声は随分大きいが獅に劣る事遠しだ
『淵鑑類函』巻四二九に虎骨甚(はなは)だ異なり、咫尺(しせき)浅草といえども能(よ)く身伏して露(あら)われず、その虓然(こうぜん)声を作(な)すに及んではすなわち巍然(ぎぜん)として大なりとある。
元寇(げんこう)の役があった、そのとき執権時宗は、某(なにがし)とかいう禅僧のところへいって、大事到来せり、いかんか向前(こうぜん)せんと訊いた、禅僧某はかねて時宗の師家だったが、問いに対して、迷惑すべからず
憤怒の形相(ぎょうそう)ものすごく、彦太郎がさんさんと降り来る糞尿の中にすっくと立ちはだかり、昴然(こうぜん)と絶叫するさまは、ここに彦太郎は恰も一匹の黄金の鬼と化したごとくであった。
糞尿譚 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
と晃然(こうぜん)とかざす鉄杖輝く……時に、月夜を遥(はるか)に、唄の声す。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ただいかなる景情(けいじょう)を詩中に持ち来って、この曠然(こうぜん)として倚托(きたく)なき有様を写すかが問題で、すでにこれを捕(とら)え得た以上はレッシングの説に従わんでも詩として成功する訳だ。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
という辞世の一句も哀れや六十一歳を一期(いちご)として溘然(こうぜん)この世を去られた。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そこには電燈がいたるところに悲しげに点れていた。あたかも人影と人影との間に、建物と建物とのまわりに煌然(こうぜん)として輝いていた。
幻影の都市 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
と見れば皎然(こうぜん)たる銀の地に、黄金の雲を散らして、紺青(こんじょう)の月、ただ一輪を描いたる、扇の影に声澄みて
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
井戸一帯に燐の粉が零(こぼ)れて、それに鬱気(うつき)を生じ、井戸の中、覆(ふた)の石、周りの土までが夜眼にも皓然(こうぜん)と輝き渡っていたその理を、彼は不幸にも弁(わきま)えなかったのだ。
雁来紅(がんらいこう)の葉を食むものは紅髯(こうぜん)毿々(さんさん)として獅子頭の如し。山茶花(さざんか)を荒すものは軍勢の整列するが如く葉裏に密生し其毛風に従って吹散(ふきさん)じ人を害す。園丁(えんてい)も亦恐れて近づかず。
偏奇館漫録 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それからこの本の名を鴻漸(こうぜん)のそれに習って『茶経』と言わずに『茶の本』としたわけは、原文が陸羽の書物のそのままの英訳でないことを思い合わせる時、なまじいに、あの本の名を借り用いては
茶の本:01 はしがき (新字新仮名) / 岡倉由三郎(著)