“向前”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むこう33.3%
むこうがわ16.7%
かうぜん16.7%
こうぜん16.7%
むかうまへ16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
土地の大地主で、数多たくさんの借家を持ち、それで、住宅すまい向前むこうに酒や醤油の店を持っている広栄の家は、鮫洲さめず大尽だいじんとして通っていた。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
お杉はじぶんさかずきへ酒をぎながら、汚い食卓ちゃぶだい向前むこうがわにいる長吉の方を見た。眼の不自由な長吉は、空になった盃を前へ出していた。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
この数秒時間の後に、他の極致は歩を進めて彼のうちに入る、しばらく混乱したる後に彼は新生の極致を得て、全く向前かうぜんの生命と異なるものとなるなり。
心機妙変を論ず (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
元寇げんこうの役があった、そのとき執権時宗は、なにがしとかいう禅僧のところへいって、大事到来せり、いかんか向前こうぜんせんと訊いた、禅僧某はかねて時宗の師家だったが、問いに対して、迷惑すべからず
さぞ御難儀ごなんぎならん向前むかうまへいひ類商賣るゐしやうばいの事なれば此度に限らず御都合次第何時にても御遠慮なく仰越れよとこゝろよくかしければ三郎兵衞大いによろこ書付かきつけ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)