“某”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
なにがし48.4%
それがし25.4%
ぼう9.5%
ある7.8%
それ5.4%
さる0.5%
たれがし0.5%
ばう0.5%
かれ0.3%
0.3%
(他:5)1.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“某”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語7.3%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)1.1%
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆1.1%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
「おい、」と心安げに答えたのは和尚天窓おしょうあたまで、背広を着た柔和な仁体じんてい、篠塚なにがしという哲学家。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
次々と、たずねあう声が、列を流れて行ったきりで、答える声も、何のなにがしです——と、みずから名乗る者もなかった。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
無一物のそれがしを入れて、おとなしく嫁姑よめしゅうとめを大事にさせるのが、藤尾の都合にもなる、自分のためでもある。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
列座れつざ方々かた/″\、いづれもかね御存ごぞんじのごとく、それがし勝手かつて不如意ふによいにて
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ぼうは遊女ながらもひとかど気象きしょうがあったが、如何いかんせん、商売がら外人に落籍らくせきされたので、
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
いまぼうこく軍艦ぐんかんからの探海燈たんかいとう其邊そのへんくまなくてらしてるので
監物は隻手にその茶碗を執って一口飲んで乾いた咽喉を潤しながら、見るともなしにむこうの方にやった眼にふとある物を認めた。
不動像の行方 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
ある夏の微月の射した晩、夜学会をやっていた仲間の少年達と台場の沖という処へ旗奪はたばいに往ったことがあった。
(新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
それの年の元日に佐竹は山内へ廻礼に来て、庭に立っていた五百の手をろうとすると、五百はその手を強く引いて放した。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「お、お、周南しうなんよ、なんぢそれつきそれもつまさぬべきぞ。」
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「初対面の御坊の前で、まず我が身の身分苗字を名乗りませいではならぬ筈でござりまするが、しばらくおゆるし下さりませ。わたくしは都に屋敷を構えておりまするさる武家の娘、少しくお願いの儀がござりまして……。」
小坂部姫 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
それがしは都のさる武家の侍じゃ。主人の姫が誰にも知らさずに、二ときほど前から屋敷を忍び出て、今に戻られぬ、忍びの物詣でかとも存ずれど、なんとやら不安に思われる節もあるので、それがしお跡をたずねて参ったところ、そのような風俗の上﨟が双ヶ岡の方角へ笠を深うして行かれたと教ゆる者がござったので、取りあえずこちらへ辿ってまいった。
小坂部姫 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「それにしても殿様、堤の上から、船の中の人の眼玉を射るのは容易の腕前ではございません。何のたれがしと言う楊弓の名人でもなければ——」
「それにしても殿樣、どての上から、船の中の人の眼玉を射るのは容易の腕前では御座いません。何のたれがしと言ふ楊弓の名人でもなければ——」
其の洋服代も美奈子がばう新聞社へ売つた小説の稿料の中から支払つたので妻がの目も眠らずに働いた労力の報酬の片端である。
執達吏 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
鍋町に住んでゐる手習師匠のばう、お玉ガ池の用心棒で評判のよくない某、入谷の浪宅にくすぶつてゐる押借おしかりの常習犯で某と、十人ばかりの札付の浪人者が、町方の手で擧げられましたが、いづれも確かな現場不在證明があつて、この虱潰しらみつぶし案も失敗に終りました。
第二番に何屋のかれ綺羅きらを尽くした伊達だて姿が、眼の前を次から次に横切っても、人々は唯、無言のまま押合うばかり。
名娼満月 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
さりながらあやしきは退院たいヽんがけに何時いつ立寄たちよれのいゑ
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
けんじていはく、それかし飛行自在ひぎやうじざいじゆつの候、瞬時またゝくまにして
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
この猛犬は、——土地ではまだ、深山みやまにかくれてきている事を信ぜられています——雪中行軍に擬して、中の河内かわちを柳ヶ瀬へ抜けようとした冒険に、教授が二人、それの中学生が十五人、無慙むざんにも凍死をしたのでした。
雪霊続記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
またわれわれが『論語』や『聖書』を読み万世不朽ふきゅうの金言と称せらるる教訓にれても、うまいことをいっている、このおしえたれそれに聞かしてやりたいものだと、おのれの身にあてはめて考えるよりは、他人に応用する心地ここちすることがままある。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
「論より証拠ぢやありませんか、ここにちやんと刷りこんでありまさあね、⦅役僧なにそれこれを物語る⦆と。」
「はてね、少しあぶないもので。やつがれが勝つでござりましょうよ」
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)