“昨夜”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ゆうべ79.9%
ゆふべ6.5%
さくや5.9%
よべ2.7%
ゆんべ2.6%
よんべ1.0%
ゆべな0.4%
きのう0.2%
ようべ0.1%
きそ0.1%
きのふ0.1%
こぞ0.1%
やぜん0.1%
ゆべ0.1%
コソ0.1%
ヨンベ0.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あくる朝俊夫君は、昨夜ゆうべ、叔父さんてに書いたという手紙を投函してくると言って出かけたまま、正午ひる頃まで帰ってきませんでした。
紅色ダイヤ (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
「お! こちらの松島さんはよ、昨夜ゆうべ、夜業をして怪我けがをしてな。うんで病院のほうへ行ったからよ、そのつもりで心配しねえでいてくれ」
猟奇の街 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
『僕も然だよ。日頃はこれでも仲々意気の盛んな方なんだが、昨夜ゆふべ君と逢ツてからといふもの、怎したもんか意気地の無い事を謂ひたくなる。』
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「ところが、さう手輕には行きませんよ。昨夜ゆふべ小耳に挾んで、飛んで行くともう黒門町の庄太の野郎が來て、散々掻き廻したあとでしたがね」
それほど眞劍しんけんにやるべきものをと、宗助そうすけ昨夜さくやからの自分じぶんが、なんとなくづかしくおもはれた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
主「はい/\心得ましたが、昨夜さくやはどうも、あきないにお出でなすって多分のお茶代を戴いて済みません、何卒どうぞ明年も御心配なくなア」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
われは好機會を得て、昨夜よべの暴風と難船との事を敍し、前に友の雄辯もて遂ぐること能はざりしところをも、詞章もて遂げんとしたりしなり。
老い枯れし老婆の御身に嫌はるゝは、可惜あたら武士ものゝふ戀死こひじにせんいのちを思へば物の數ならず、るにても昨夜よべの返事
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
文句附けに来たら私が出てネジて上げる。心配せずに一杯飲みない。オイ。了念了念。昨夜ゆんべ般若湯はんにゃとうの残りがあろう。ソレソレ。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
仙「安さん其の刀を盗んださむれえは、昨夜ゆんべのう己も佐賀町河岸で見たが、おめえがソノ新橋から乗せたという頭巾を冠った侍だ」
奥様も順でいなさりやすから昨夜よんべお暇いただいて来やしたのえ、父様ととさま母様かかさまも、眼の中さあ入れたいほど様子で居なさる。
農村 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「それでも、さっきから、船のうえで聞いとったら、昨夜よんべ、吉田親分の盃をつっかえした、ちゅうて、話しとったじゃないか」
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
があ昨夜ゆべな、土ぁ、みだじゃぃ。」嘉ッコはしめった黒い地面を、ばたばたみながらいました。
十月の末 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
『お定さん。お前も聞いたべす、源助さんから昨夜ゆべな、東京の話を。』
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「ええ、昨夜きのうちょっと三味線堀を通ったら、馬春堂という幕が下がっているので、まあ珍しいとのぞいてみると、あなたの姿が見えないので、今日も通りがけに、そっと覗いて見たんですよ」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
仙「何ういたしまして、昨夜きのうとっさんと話をしたんですが、無闇にお侍の死骸を引取って、伯父の積りで葬式とむれえを出しましたから、若旦那がおこりゃアしねえかッて心配して居るんです」
「フレップ酒ですか。昨夜ようべ一寸やって見ました。甘いんですね。」
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
いや、昨日の御行啓の後でして、なにしろ、樺太庁のお役人は来る、新聞記者は騒ぐ、それに軍人、商人、何々団員で、すっかり満員の大盛況で、実は家内中へとへとになったところで、今朝の切り込みで、それで見事にスカ喰ったんですからな。一同張り合い抜けのていでしてな。昨夜ようべだって誰ひとり寝やしません。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
昨夜きそこそはろとさ宿しかくもうへたづ間遠まどほおもほゆ 〔巻十四・三五二二〕 東歌
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
昨夜きのふは雅子さんの夢を見た。
六日間:(日記) (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
昨夜こぞこそは やすく肌觸れ。 (歌謠番號七九)
モン長 なう、なさけなや、我君わがきみ! 我子わがこ追放つゐはう歎悲なげきあまりにおとろへて、つま昨夜やぜん相果あひはてました。
大きくまたひとつ肯いた、やっと少しずつ文楽師匠のいう意味が分ってくるような気がした。そういえば昨夜ゆべうちの師匠、親に似ぬ子は鬼っ子だって世にも腹立たしそうにいったっけ。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
「こそ」の係結の完成する前の形で、「わが哭くつま。昨夜コソこそは、易く膚触れ 妻」と言つた形らしく思はれる。