広海大治
1910 〜 1960.08.25
著者としての作品一覧
拡大されゆく国道前線(新字新仮名)
読書目安時間:約2分
視野一面連る山脈の彼方に 朝やけの赤い太陽—— ペダルを力一杯地下足袋で踏んづけて 工事場へ走る俺達 爽涼たる朝霧の中に 曲りくねった山峡の白い路 杉と雑木と山の背の彼方に 見えて …
読書目安時間:約2分
視野一面連る山脈の彼方に 朝やけの赤い太陽—— ペダルを力一杯地下足袋で踏んづけて 工事場へ走る俺達 爽涼たる朝霧の中に 曲りくねった山峡の白い路 杉と雑木と山の背の彼方に 見えて …
サガレンの浮浪者(新字新仮名)
読書目安時間:約6分
ただようてくる温ったかい三平汁の香 堪え兼ねて牧草の束に顔を埋める しのびよる背筋の冷さ 浅い眠りの夢は破れる ああ!一杯の飯を食いたい 赤い毛布を巻きつけたむくんだ足 寒気は骨の …
読書目安時間:約6分
ただようてくる温ったかい三平汁の香 堪え兼ねて牧草の束に顔を埋める しのびよる背筋の冷さ 浅い眠りの夢は破れる ああ!一杯の飯を食いたい 赤い毛布を巻きつけたむくんだ足 寒気は骨の …
章魚人夫(新字新仮名)
読書目安時間:約2分
北方の海には氷が張りつめた 食物がなくなった章魚は おのれの足を食いつくした 春四月 まだ雪は南樺太の野を埋めている 人夫は前借金二十五円にしばられて 鉄道工事現場へ追い込まれた …
読書目安時間:約2分
北方の海には氷が張りつめた 食物がなくなった章魚は おのれの足を食いつくした 春四月 まだ雪は南樺太の野を埋めている 人夫は前借金二十五円にしばられて 鉄道工事現場へ追い込まれた …