“ゆうべ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
昨夜72.7%
12.3%
昨夕7.5%
昨晩4.2%
昨宵1.9%
前夜0.3%
咋夜0.3%
昨日0.2%
0.1%
咋宵0.1%
(他:3)0.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「そうかね。もっとも昨夜ゆうべ吉川さんに話をしてから手術の日取をきめる事にしようって云ったんだから、あたる訳は訳だね」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あくる朝の津田は、顔も洗わない先から、昨夜ゆうべ寝るまで全く予想していなかった不意の観物みものによって驚ろかされた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
然し彼女自身はあしたうまれてゆうべに死すともうらみは無い善良の生涯を送って居たので、生の目的は果した。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
夏のゆうべには縁の下からおおきひきがえるが湿った青苔あおごけの上にその腹を引摺ひきずりながら歩き出る。
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
昨夕ゆうべ食ったたい焙烙蒸ほうろくむしにあてられたらしい」と云って、自分は不味まずそうな顔をして席を立った。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
昨夕ゆうべあの宿へ自分を送りつけた後は、鳥沢とやらへ帰ってしまったものと思っていたら、まだあの宿に泊っていたものらしい。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「おや左様でございましたか。これは失礼をいたしました。へいへい確かに宇和島様には、昨晩ゆうべからお宿まりでございますよ」
前記天満焼 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
其麽そんな事があつた爲ですか、昨晩ゆうべ頻りに、貴方あなたがお出にならないツて、金村の奴心配してましたよ。』
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
晴れ晴れした顔をして湯から帰って来た浅井は、昨宵ゆうべの食べ物の残りなどで、朝食をすますと、じきに支度をして出て行った。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
これも神代を其儘そのままつまらぬものをも面白く感ずるは、昨宵ゆうべあらし去りて跡なく、雲の切れ目の所所
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
翌朝、電車に乗った時にも、今日は帰りに神保町で降りて、前夜ゆうべの家へ往って聞こうと思っていたが、
妖影 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「フロラ、それは夢だつたのだよ、あの物語をあまり熱心に音読した前夜ゆうべつかれで——」
鸚鵡のゐる部屋 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
思ひたつた旅ながら船出した咋夜ゆうべから今朝にかけて、風雨激しく、まぢかく大島の火の山が見えてゐながら上陸が仲々困難でした。
大島行 (旧字旧仮名) / 林芙美子(著)
「見るは法楽や。俺は、お前みたいに、盗見なんぞしえへん。咋夜ゆうべから、じっと、こう見たままや。何遍欠伸をしやはったか、欠伸する時に、お前、こう袖を口へ当てて、ちらっと、俺の顔を見て、はあ、ああああ」
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
部屋中に満ちあふれている春の陽光が、彼の気分をがらりと快活にした。昨日ゆうべの変てこな気持がうその様に思われた。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「そういえばカンカン寅の一味も、あの中身をソックリつけてと云っていたよ。こいつは変だぞ。……オイ政どん、噂に聞くと、あのカンカン寅が銀座の金塊を盗みだしたというが、お前は昨日ゆうべ、あの建物にカンカン寅が隠してあった九万円の金塊を探しだして、搬びだしたんだナ」
疑問の金塊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
お定は暫時しばし水を汲むでもなく、水鏡に寫つた我が顏をみつめながら、呆然ぼんやりと昨晩ゆうべの事を思出してゐた。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「なに松本に一つの希望があるつて。一つなもんか、希望なら四つも五つもつてら。その証拠には咋宵ゆうべ……」
俺もそれが解らないので、唯夜ゆうべ一晩考えたんだ、今朝けさ明るくなってからようやく解った。いいか——人間の死ぬような電力は体質によって多少の違はあるが、先ず、どうしても五百ボルト以上の電圧だ。普通百ボルトの灯火用の電気や、電熱用の電気では、人間は死ねない。
死の予告 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
春雨に雀かぞゆる夕部ゆうべかな 如嬰
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
『そ、さういふ事をいふからいかん。僕がそんな卑劣な男かい。じやあいはう、昨霄ゆうべは練兵場で寝たんだ』
誰が罪 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
昨霄ゆうべ飯田町を飛出して、二里ばかりの道を夢中に、青山の知己しるべまで便たよつて行けば、彼奴きやつめたいがい知れとる事に、泊まつて行けともいはないんだ。
誰が罪 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)