“一条”のいろいろな読み方と例文
旧字:一條
読み方割合
ひとすじ77.6%
ひとすぢ9.8%
ひとくだり4.9%
いちじょう4.2%
ひとくさり2.1%
いちじょうの0.7%
ひとつ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
朦朧もうろうと見えなくなって、国中、町中にただ一条ひとすじ、その桃の古小路ばかりが、漫々として波のしずか蒼海そうかいに、船脚をいたように見える。
絵本の春 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一条ひとすぢ山径やまみち草深くして、昨夕ゆうべの露なほ葉上はのうへにのこり、かゝぐるもすそ湿れがちに、峡々はざま/\を越えて行けば、昔遊むかしあそびの跡歴々として尋ぬべし。
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
僕は下女に金をもらった覚えはないが、財布の一条ひとくだりは実地の話だった。僕の幼友おさなともだちで今、名を知られている人は、山口弘一という人だけだ。
僕の昔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
一条いちじょうの径の細くすぐなるを行き尽さざる此方こなたから、石に眼を添えてはるかなる向うをきわむる行き当りに、あおげば伽藍がらんがある。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
怖ろしい無理押付おしつけであつたのは今だに老人としよりの一つ話に残つてゐる事だが、その慌しい没落について、一条ひとくさりの小説めいた話がある。
甲斐には逸見冠者へんみのかんじゃ義清、その子の太郎清光、武田太郎信義、加々美次郎遠光かがみのじろうとおみつ、おなじく小次郎長清、一条いちじょうの次郎忠頼、板垣いたがきの三郎兼信、逸見兵衛有義ひょうえありよし平賀冠者盛義ひらがのかんじゃもりよし、その子の四郎義信
貴客あなたには限りませず、薬売の衆、行者ぎょうじゃ、巡礼、この村里の人たちにも、お間に合うものがござんして、そのお代をと云う方には、誰方どなたにも、お談話を一条ひとつずつ伺います。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)