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一条
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ひとすぢ
ふりがな文庫
“
一条
(
ひとすぢ
)” の例文
旧字:
一條
一条
(
ひとすぢ
)
の
山径
(
やまみち
)
草深くして、
昨夕
(
ゆうべ
)
の露なほ
葉上
(
はのうへ
)
にのこり、
褰
(
かゝ
)
ぐる
裳
(
もすそ
)
も
湿
(
ぬ
)
れがちに、
峡々
(
はざま/\
)
を越えて行けば、
昔遊
(
むかしあそび
)
の跡歴々として尋ぬべし。
三日幻境
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
すべて雪道は人の
踏
(
ふみ
)
かためたる
跡
(
あと
)
のみをゆきゝするゆゑ、いかなる広き所も道は
一条
(
ひとすぢ
)
にて
其外
(
そのほか
)
をふめば
腰
(
こし
)
をこえて雪にふみ入る也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
雪の野原の中に、
一条
(
ひとすぢ
)
のレールがあつて、そのレールのずつと地平線に見えなくなるあたりの空に、大きなお月様がポツカリと出てゐました。
夜汽車の食堂
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
しんとしたアカシヤの緑葉の並木の中には、狭いレエルを持つた
一条
(
ひとすぢ
)
の連頭路が
真直
(
まつすぐ
)
に真直に続いてゐるのが見わたされた。
アカシヤの花
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
汝は
三冬
(
さんとう
)
にも其色を変へねば我も
一条
(
ひとすぢ
)
に此心を移さず。なむぢ嵐に揺いでは翠光を机上の
黄巻
(
くわうくわん
)
に飛ばせば、我また風に托して香烟を
木末
(
こずゑ
)
の幽花にたなびかす。
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
何日もの如く
三歳
(
みつつ
)
になる女の児の帯に
一条
(
ひとすぢ
)
の紐を結び、其一端を自身の足に繋いで、危い処へやらぬ様にし、
切炉
(
きりろ
)
の
側
(
かたへ
)
に寝そべつて居たのが、今時計の音に真昼の夢を覚されたのであらう。
雲は天才である
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
人里を離れて行けば行くほど、次第に路は細く、落ち朽ちた木葉を踏分けて僅かに
一条
(
ひとすぢ
)
の足跡があるばかり。こゝは丑松が少年の時代に、
克
(
よ
)
く父に連れられて、往つたり来たりしたところである。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
鏽銀
(
しやうぎん
)
の
鐘
(
かね
)
よりは
一条
(
ひとすぢ
)
の
絹
(
きぬ
)
薄青
(
うすあを
)
く
下
(
さが
)
りて
光
(
ひか
)
る。
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
唯
(
た
)
だ
一条
(
ひとすぢ
)
にたどりしのみ。
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
幾尋
(
いくひろ
)
ともなき
深淵
(
ふかきふち
)
の上にこのたなをつりて
身
(
み
)
を
置
(
おき
)
、
一条
(
ひとすぢ
)
の
縄
(
なは
)
に
命
(
いのち
)
をつなぎとめてその
業
(
わざ
)
をなす事、
怖
(
おそろ
)
しともおもはざるは此事になれたるゆゑなるべし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
何にせよ決してたゞ
一条
(
ひとすぢ
)
の事ではあるまい、可なり
錯綜
(
さくそう
)
した事情が無ければならぬ。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
或は白い埃塵の立つ真直な長い
一条
(
ひとすぢ
)
の路、或は軒の低い白ちやけた家屋の
混雑
(
ごた/\
)
と連つてゐる田舎の町或は自動車の爆音に驚いてはね上る牛を一生懸命で路傍に引寄せようとする労働者
山のホテル
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
細々と立登る
一条
(
ひとすぢ
)
の煙の末が望まれるばかりであつた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
かくて、見よ、髪の
一条
(
ひとすぢ
)
詩
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
枯
(
かれ
)
たる老樹折れて
路
(
みち
)
に
横
(
よこたは
)
りたるを
踰
(
こゆ
)
るは臥竜を踏がごとし。
一条
(
ひとすぢ
)
の
渓河
(
たにかは
)
を
渉
(
わた
)
り猶登る事半里
許
(
ばかり
)
、右に折れてすゝみ左りに
曲
(
まが
)
りてのぼる。
奇木
(
きぼく
)
怪石
(
くわいせき
)
千態
(
せんたい
)
万
状
(
じやう
)
筆を以ていひがたし。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
と泣声になり掻口説く女房の頭は低く垂れて、髷にさゝれし縫針の
孔
(
めど
)
が
啣
(
くは
)
へし
一条
(
ひとすぢ
)
の糸ゆら/\と振ふにも、千〻に砕くる心の態の知られていとゞ
可憫
(
いぢら
)
しきに、眼を瞑ぎ居し十兵衞は
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
枯
(
かれ
)
たる老樹折れて
路
(
みち
)
に
横
(
よこたは
)
りたるを
踰
(
こゆ
)
るは臥竜を踏がごとし。
一条
(
ひとすぢ
)
の
渓河
(
たにかは
)
を
渉
(
わた
)
り猶登る事半里
許
(
ばかり
)
、右に折れてすゝみ左りに
曲
(
まが
)
りてのぼる。
奇木
(
きぼく
)
怪石
(
くわいせき
)
千態
(
せんたい
)
万
状
(
じやう
)
筆を以ていひがたし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
案内者いはく、御
花圃
(
はなはたけ
)
より(まへにいひたる所)別に
径
(
みち
)
ありて
竜岩窟
(
りうがんくつ
)
といふ所あり、
窟
(
いはや
)
の内に
一条
(
ひとすぢ
)
の清水ながれそのほとりに古銭多く、
鰐口
(
わにくち
)
二ツ掛りありて神を
祀
(
まつ
)
る。むかしより
如斯
(
かくのごとし
)
といひつたふ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
此山に遠からずして
一条
(
ひとすぢ
)
の大河東に
流
(
ながる
)
。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
条
常用漢字
小5
部首:⽊
7画
“一条”で始まる語句
一条路
一条道
一条兼良
一条一
一条下
一条廓
一条町
一条縄
一条忠衛
一条大蔵卿朝成