“切炉”の読み方と例文
旧字:切爐
読み方割合
きりろ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
切炉きりろが二つあって、人足たちのいるときには両方へ火を入れるが、いまは一つしか火がなく、どんなに炭をついでも部屋があたたまるということはなかった。
さぶ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
そして大きな切炉きりろ膠鍋にかわなべから膠の煮えるにおいとまきのいぶりがむうとするほどな物をたちこめていた。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何日もの如く三歳みつつになる女の児の帯に一条ひとすぢの紐を結び、其一端を自身の足に繋いで、危い処へやらぬ様にし、切炉きりろかたへに寝そべつて居たのが、今時計の音に真昼の夢を覚されたのであらう。
雲は天才である (新字旧仮名) / 石川啄木(著)