“可憫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かわい52.9%
あはれ11.8%
あわれ11.8%
かはい5.9%
いぢら5.9%
かあい5.9%
ふびん5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そういって彼を信頼している人——寂しく年老いてゆくこの可憫かわいそうな人をば、このまま置き去りにすることが出来るものか。
(新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
逸りきつたる若き男の間違仕出して可憫あはれや清吉は自己おのれの世を狭め、わが身は大切だいじ所天をつとをまで憎うてならぬのつそりに謝罪らするやうなり行きしは
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
逸りきったる若き男の間違いし出して可憫あわれや清吉は自己おのれの世をせばめ、わが身は大切だいじ所天おっとをまで憎うてならぬのっそりに謝罪らするようなり行きしは
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「あんた一人で東京までようおきやすか。」と母親おふくろはもう涙を一杯眼に浮べて「しげ可憫かはいさうに、おつれちつとも出来でけよらんのかいなあ。」
と泣声になり掻口説く女房の頭は低く垂れて、髷にさゝれし縫針のめどくはへし一条ひとすぢの糸ゆら/\と振ふにも、千〻に砕くる心の態の知られていとゞ可憫いぢらしきに、眼を瞑ぎ居し十兵衞は
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「ほう、羊飼が梟になりおった。気の毒なことをしたな。だが、あれよりも可憫かあいそうなのは私だよ。無駄口一つきく事が出来ないのだからな。」
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)
十人なみの容貌を具えたるにいとど可憫ふびんの加わりて、如何いかで無事出獄の日には、わが郷里の家に養い取りて、一身いっしんの方向を授けやらばやと、両女を左右に置きて、同じく読書習字を教え
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)