“繁”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しげ77.6%
しじ4.8%
しげる3.3%
しみ2.9%
はげ2.9%
2.2%
1.5%
しゞ1.1%
0.4%
さか0.4%
さが0.4%
しげっ0.4%
しげり0.4%
しげれ0.4%
しば0.4%
つなが0.4%
はげし0.4%
もや0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その愈々いよいよ婚礼の晩という日の午後三時頃でもあろうか。村の小川、海に流れ出る最近まぢかの川柳しげれる小陰に釣をたるる二人の人がある。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
鍬入れて、しじふるひて、掻きならす土はよき土。春雨のよべのしめりに、けさ蒔くや、種子はひなげし、金蓮花、伊勢のなでしこ。
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
その間には、小山内薫おさないかおる君、有島生馬いくま君、青木しげる君、田山花袋君、それから柳田国男君を馬場裏の家に迎えた日のことも忘れがたい。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ひしひしとしみみ立てたれ竹のは突きぬけて寒し竝倉の上に (二八九頁)
文庫版『雀の卵』覚書 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「微行も微行、一切、人目を怖れるひそかな途中だ。わけてここは諸国の者の出入りのはげしい港町。はやくせい。仔細しさいはあとで話すから」
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この二神ふたはしらは、かの穢きき國に到りたまひし時の、汚垢けがれによりて成りませる神なり。次にそのまがを直さむとして成りませる神の名は、神直毘かむなほびの神。次に大直毘おほなほびの神一一。次に伊豆能賣いづのめ一二
みぎはまで み立つ木々の色 立ちて見ゆ
鵠が音:01 鵠が音 (新字旧仮名) / 折口春洋(著)
鍬入れて、しゞふるひて、掻きならす土はよき土。春雨のよべのしめりに、けさ蒔くや、種子はひなげし、金蓮花、伊勢のなでしこ。
(新字旧仮名) / 北原白秋(著)
割合に枝のまない所は、依然として、うららかな春の日を受けて、え出でた下草したぐささえある。壺菫つぼすみれの淡き影が、ちらりちらりとその間に見える。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
軒並の商家は相当にさかえてゐた。
伊良湖の旅 (新字旧仮名) / 吉江喬松(著)
その侍は当分自分の差料にして居るだろうという考えだ、違ってるか知れねえがお前と己と二人で手拭で鼻ッ冠りをして、矢ッ張己のようないなせな股引腹掛で、半纏はんてん引掛ひっかけて人さがしい処を歩いて
二郎は種々いろいろな空想を浮べていた……合歓の木の下にしげっている蔦葛つたかずらなかで、虫が鳴いている。
稚子ヶ淵 (新字新仮名) / 小川未明(著)
宿の子は空知川沿岸に於ける熊の話をし、続いて彼が子供心に聞き集めたる熊物語の幾種かを熱心に語つた。坂を下りて熊笹のしげれる所に来ると彼は一寸立どまり
空知川の岸辺 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
しばうらみさへ
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
別に元日らしいこともない景色のようであるが、すくよかにのびた木々の枝の感じと、希望の多い年頭の気分との間には、何らかつながるものがあるように思われる。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
それから、はげし往来ゆききが始まって、そうしているうちにいつしか二人は、互いに相手の理智と聰明さにかれてしまったのである。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
砂浜にもやわれた百そう近い大和船は、へさきを沖のほうへ向けて、互いにしがみつきながら、長い帆柱を左右前後に振り立てている。
生まれいずる悩み (新字新仮名) / 有島武郎(著)