“下草”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
したくさ57.1%
したぐさ42.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この壁柱かべはしら星座せいざそびえ、白雲はくうんまたがり、藍水らんすゐひたつて、つゆしづくちりばめ、下草したくさむぐらおのづから、はなきんとりむし浮彫うきぼりしたるせんく。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
彼らにして他の家を継がずんば、終身部屋ずみとどまり、碌々として世の下草したくさとなり、その姓名を歴史に留むべくもあらず。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
自分は日あたりを避けて楢林ならばやしの中へと入り、下草したぐさを敷いて腰をろし、わが年少画家の後ろ姿を木立ちのひまからながめながら、煙草たばこに火をつけた。
小春 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
割合に枝のまない所は、依然として、うららかな春の日を受けて、え出でた下草したぐささえある。壺菫つぼすみれの淡き影が、ちらりちらりとその間に見える。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)