“したぐさ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
下草85.7%
下艸14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なかに一ところ湖神こしんもうけの休憩所きうけいしよ——応接間おうせつまともおもふのをた。村雨むらさめまたしきりはら/\と、つゆしげき下草したぐさけつゝ辿たどると、むやうな湿潤しつじゆんみぎはがある。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
松の下は海辺にでも見るようなきれいな砂で、ところどころ小高い丘と丘との間には、青い草を下草したぐさにした絵のような松の影があった。夏はそこに色のこいなでしこが咲いた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
艸花くさばな立樹たちきの風にまれる音の颯々ざわざわとするにつれて、しばしは人の心も騒ぎ立つとも、須臾しゅゆにして風が吹罷ふきやめば、また四辺あたり蕭然ひっそとなって、軒の下艸したぐさすだく虫ののみ独り高く聞える。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)