“煙草”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たばこ93.0%
タバコ4.8%
きせる0.6%
シガレット0.4%
たばこぼん0.2%
たんばこ0.2%
シガア0.2%
シガー0.2%
パイプ0.2%
ピソンテ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
出家は、上になんにもない、小机こづくえの前に坐って、火入ひいればかり、煙草たばこなしに、灰のくすぼったのを押出おしだして、自分も一膝ひとひざ、こなたへ進め
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この刹那せつなに箱のふたをあけると、案の通り土で造った円筒状の煙管キセルの雁首が一箇出た。箱の蓋をく見ると、煙草タバコを刻んだ跡もある。
土塊石片録 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
平次は煙草きせるをポンと叩いて、天井を突き抜けるような大欠伸おおあくびをしました。岡っ引根性を無駄に刺戟されてとんだ緊張が馬鹿馬鹿しかった様子です。
ここには浮浪者の姿に身をやつした盗賊団の穴居がって、私はその団長で、煙草シガレットふかすのにピストルを打ってライターの用にしれている拳銃使いの名人と知り合いだったが
ゼーロン (新字新仮名) / 牧野信一(著)
今二つの目のぬしは七つか八つ位の娘である。無理に上げたようなお煙草たばこぼん盆に、小さい花簪はなかんざしを挿している。
牛鍋 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
おばこ来るかやと田圃たんぼんづれまで出て見たば、コバエテ/\、おばこ来もせでのない煙草たんばこ売りなの(なのはなどの意)ふれて来る。コバエテ/\
春雪の出羽路の三日 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
燥々いら/\しながら立つて毛布ケツトをはたいた、煙草シガアの灰が蛇の抜殻のくづるる様にちる、私は熱湯の中に怖々おづ/\身体からだを沈める時に感ずる異様な悪感に顫へながら強ひて落着いた風をしてぢつと坐つて見た。
新橋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
われ、物言うも苦し。二人は相見て笑いぬ、二郎が煙草シガーには火うつされたり。
おとずれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
時々驚愕きょうがくしたように眼を離して、函の中に納められている木乃伊の方を振り返って見たり、手にした煙草パイプに火を点けるのさえ忘れているのであった。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
と妻はショコラの茶碗カップいて、細巻きの煙草ピソンテに火を点けた。
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)