“巻煙草”のいろいろな読み方と例文
旧字:卷煙草
読み方割合
まきたばこ92.0%
シガレット2.7%
たばこ1.3%
まきタバコ1.3%
シガレツト1.3%
シガー1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
好きな巻煙草まきたばこをもそこへ取出して、火鉢の灰の中にある紅々あかあかとおこった炭のほのおを無心にながめながら、二三本つづけざまにふかして見た。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
大月は巻煙草シガレットくゆらしながら、あたかもこの事件に対して深い興味でも覚えたかの如く、暫くうっとりとした冥想に陥っていたが、軈て夫人に向って
花束の虫 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
神崎様が巻煙草たばこの灰を掌にのせて、この灰が貴女には妙と見えませんかと聞くから、私は何でもないというと、だから貴女は駄目だ、およそ宇宙の物、森羅万象、妙ならざるはなく
恋を恋する人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
長椅子の方へ来て、くつろいでこんな打明けばなしをしてから、御免なさいといって、はじめて巻煙草まきタバコの一本をつまんだ。
一世お鯉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
大森氏は同じ主義から、どんな酷暑の候でも、官吏は簡単な服装をしてはならないといふので、洋服のぼたん一つ外した事がない。この意味から詰襟などは巻煙草シガレツト刻煙草きざみたばこと一緒に大嫌ひである。
帳場に近い衝立の陰には、厚化粧をして頬紅ほおべにを塗った怪しげな女が、愛想笑いをしながら折々泉原の方を振返っていた。女は長い巻煙草シガーを細い指先に挟んで、軽い煙をあげている。
緑衣の女 (新字新仮名) / 松本泰(著)