“刻煙草”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きざみたばこ82.6%
きざみ17.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
正木大尉は舶来はくらい刻煙草きざみたばこを巻きに来ることもあるが、以前のようにはあまり話し込まない。幹事室の方に籠って、暇さえあれば独りで手習をした。
岩石の間 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
その手に一条の竹のむちを取って、バタバタと叩いて、三州は岡崎、備後びんごは尾ノ道、肥後ひごは熊本の刻煙草きざみたばこ指示さししめす……
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
茶の唐縮緬めりんすの帯、それよりも煙草に相応そぐわないのは、東京のなにがし工業学校の金色の徽章きしょうのついた制帽で、巻莨まきたばこならまだしも、んでいるのが刻煙草きざみである。
瓜の涙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
野生の煙草の木がどこにでもあって立派な刻煙草きざみになるからである。手製のパイプへそれを詰めて惜し気なくそれを吹かす時私は真に幸福であった。小憎らしいのは猩々である。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)