“相応”のいろいろな読み方と例文
旧字:相應
読み方割合
ふさわ50.3%
ふさ17.0%
そうおう13.7%
そぐ6.5%
ふさは3.9%
さうおう2.6%
かなり2.0%
うつ1.3%
ふさわし1.3%
あいこた0.7%
ふさはし0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
呼び招いて、小姓袴も相応ふさわしい京弥に運ばせたのは、うず高く三宝に盛られた小判の山でした。五十両? いや正しく二三百両です。
而して新短歌の語句から語句への推移は現に情理的であるよりも感覚的であり、又左様にあることが此の様式に相応ふさふやうに思へる。
新短歌に就いて (新字旧仮名) / 中原中也(著)
然し此は先生がトルストイである事を忘れたからの叫びです。誰にでも其人相応そうおうの生きようがあり、また其人相応の死に様があります。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
紫玉は我知らず衣紋えもんしまった。……となえかたは相応そぐわぬにもせよ、へたな山水画のなかの隠者めいた老人までが、確か自分を知っている。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ひもも、紙鳶に相応ふさはしい太いいとだし、それがかれてあるわくも、子供では両手で抱へてゐなければならぬ程、大きな立派なものである。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
すると相応さうおうあきなひもあるから、あきなだかうちよりめて置いて、これを多助なすけあづけたのが段々だん/\つもつて、二百りやうばかりになつた。
塩原多助旅日記 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
御影みかげに住んでゐる男が、国元に相応かなり田畑でんばたを持つてゐるので、小作米の揚つたのを汽車で送らせて、御影の家でたくはへてゐるのがある。
柘榴ざくろはなは、薔薇ばらよりも派出はでに且つ重苦おもくるしく見えた。みどりあひだにちらり/\とひかつて見える位、強い色をしてゐた。従つてこれも代助の今の気分には相応うつらなかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
老人の娑婆塞しゃばふさげ後指うしろゆび指されんも憂たてし、髪切払いて仏に仕うる身の徒歩歩かちあるきこそ相応ふさわしけれ、つまりは腕車も不用なれど、家名に対してそうもならねば
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それと言うままき出だせり。二人の車夫は勇ましく相呼び相応あいこたえつつ、にわかに驚くべき速力をもて走りぬ。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
但しそのあまり色美いろよきが、又さるきはには相応ふさはしからずも覚えて、こはつひに一題のうるはしなぞを彼に与ふるに過ぎざりき。鴫沢の翁は貫一の冷遇ぶあしらひいきどほるをも忘れて、このなぞの為に苦められつつ病院を辞し去れり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)