“ふさ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:フサ
語句割合
塞58.6%
鬱10.0%
総6.3%
房6.1%
閉4.0%
欝2.9%
相応2.3%
適2.1%
応1.2%
流蘇0.8%
總0.6%
伏0.6%
相應0.5%
瞑0.4%
杜0.4%
似合0.3%
布佐0.3%
英0.2%
窒0.2%
綜0.2%
臥0.2%
閉塞0.2%
宜0.1%
纓0.1%
花穂0.1%
填0.1%
壅0.1%
夫差0.1%
封0.1%
憂鬱0.1%
應0.1%
束0.1%
果房0.1%
沈欝0.1%
沈鬱0.1%
相0.1%
緘0.1%
繸0.1%
隘0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかるに『岐蘇考』に天正十二年山村良勝妻籠(つまご)に城守りした時、郷民徳川勢に通じて水の手を塞(ふさ)ぎけるに、良勝白米もて馬を洗わせ
「あら、そうお! すみませんでしたわね。けど、『あたしのフランク』はきょうどうかしてるの? すこし鬱(ふさ)いでやしないこと?」
字で書いた漫画 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
で、私は後へ引退(ひききが)った。ト娘の挿した簪(かんざし)のひらひらする、美しい総(ふさ)越しに舞台の見えるのが、花輪で額縁を取ったようで、それも可(よし)さ。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
十月になるとわたしは川の牧草地にブドウ採りに出かけ、食(た)べ料(りょう)というよりはその美しさと香りの点で珍重すべき房(ふさ)をしょってきた。
私は開(あ)いた口が閉(ふさ)がらなかった。その神秘的な髪の恰好と、若林博士の荘重な顔付きとを惘々然(ぼうぼうぜん)と見比べない訳に行かなかった。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
既往(こしかた)を懐(おも)いめぐらして欝(ふさ)ぎはじめましたから、兼松が側(はた)から種々(いろ/\)と言い慰めて気を散じさせ、翌日共に泉村の寺を尋ねました。
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
だが、それはその昔、蹴裂明神(けさくみょうじん)の前で見た捨児ではない。長塚新田の馬喰(ばくろう)が落したハマでもない。この街道には相応(ふさ)わしからぬもの——
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そうした中では『源氏物語』が今日の文学というに適(ふさ)わしい所まで変質しきった形を見せている最初のものといってよいかも知れない。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
その民族は応(ふさ)わしくも線の密意に心の表現を托したのである。形でもなく色でもなく、線こそはその情を訴えるに足りる最も適した道であった。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
セルギウスが横から見た時、長老は微笑みながら右の手で法衣の流蘇(ふさ)をいぢつて、相手の男と話をし出した。その男は隊外将官の軍服を被てゐる。
作りは父の好みで、彼女の爲めに酉(とり)の歳に因(ちな)んで金無垢(きんむく)の雞の高彫(たかぼ)りを目貫(めぬき)に浮き出させ、鞘は梨子地(なしぢ)で、黒に金絲を混ぜた總(ふさ)付きの下げ緒が長く垂れ、赤地金襴の袋に入つてゐる。
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
「見やしませんけれど、御覧なさいな。お茶台に茶碗が伏(ふさ)っているじゃありませんか、お茶台に茶碗を伏せる人は、貴下嫌(きらい)だもの、父様も。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ダイアナは私に獨逸語を教へようと云つてくれた。私も彼女から教はるのは好きだつた。女教師の役目(やくめ)は彼女を喜ばせもしまた相應(ふさ)はしかつた。
陶器師(すえものし)は返事をしなかった。ゆるゆると彼は寝そべった。右手を敷いて枕とし、左手を脇腹へ自然に置き、唇を閉じ眼を瞑(ふさ)ぎ、寂然(せきぜん)として聞いていた。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
大意は『宝物集』と同様ながら、板や草を橋筏とする代りに石を負うて海を杜(ふさ)ぎ猴軍が渡ったとあり。私陀妃の終りも上に引いた一伝にほぼ同じくてやや違う。
快復期の微妙な感動と歓喜は非常に似ているようです。そこがさむくさえないならば、雪の美しささえ似合(ふさ)わしいというような生活感情の時期なのでしょうけれど。
やがて私の長兄の家は、茨城県布川町から利根川を隔てた千葉県の布佐(ふさ)(現我孫子(あびこ)市)へと移った。兄は布川に永住する気は最初からなく、ある程度の産を成した上で帰郷する心積りであった。
故郷七十年 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
前述、野尻抱影氏からのお手紙の端にも「——小生は英(はなぶさ)町の生れで、本名は正英(ふさ)、小学校は初め太田小学校でした。おテイちゃんとは同窓です」
掛かる時の事が、もう息が切れ、息が窒(ふさ)がるように、早くから感じられています。8970
洗い髪をぐるぐると酷(むご)く丸(まろ)めて引裂紙(ひっさきがみ)をあしらいに一本簪(いっぽんざし)でぐいと留(とど)めを刺した色気なしの様はつくれど、憎いほど烏黒(まっくろ)にて艶ある髪の毛の一ト綜(ふさ)二綜後(おく)れ乱れて
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
子を育(そだつ)れども愛に溺れ、ならはせ悪しく愚なる故に、何事も我身を謙(へりくだ)りて夫に従べし。古(いにしえ)の法に女子を産ば三日床の下に臥(ふさ)しむるといへり。是も男は天にたとへ女は地に象(かたど)る。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
……あすこへ行くんだ……あの瀑布(たき)の上の方を爆薬(ドン)でブチ壊して閉塞(ふさ)いでしまえばモウこっちのもんだ。儲かるぜそれあ……轟先生は元来、正直過ぎるからイカン。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
羽(は)たたぎ二四も これは宜(ふさ)はず
羽たたぎも こも宜(ふさ)はず
白羊羅紗(はくようらしゃ)の角を折った范陽帽子(はんようぼうし)には、薔薇(ばら)色の纓(ふさ)をひらめかせ、髪締めとしている紺の兜巾(ときん)にも卵黄(らんこう)の帯飾りをつけている。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
茜(あかね)の纓(ふさ)は、花に似て
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのわかわかしい花穂(ふさ)の臭(にほひ)が暗みながら噎(むせ)ぶ
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
黄色い、新しい花穂(ふさ)の聚団(あつまり)が
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
文学は人間と無限とを研究する一種の事業なり、事業としては然り、而して其起因するところは、現在の「生」に於て、人間が自らの満足を充さんとする欲望を填(ふさ)ぐ為にあるべし。
さなり、人の口を壅(ふさ)がむこと
愚かなるものよ (新字新仮名) / 徳永保之助(著)
これすなわち范蠡(はんれい)が美姫西施(せいし)を送って強猛な夫差(ふさ)を亡ぼしたのと同じ計になるではありませんか
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「茂吉の様子はだんだん変になる。あんなに気が弱くちゃ、いつ自首して出るかも判らないので、三次は大金を強請(ゆす)り奪(と)った上、その口を封(ふさ)ぐ気になったのだろう——」
(涙ぐむ)空飛ぶ鳥でさえ羽音をひそめて憂鬱(ふさ)いでいるような気がするのに。
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
是故にこの處のことをいふ者、もし應(ふさ)はしくいはんと思はゞ、アーシェージといはずして(語(ことば)足らざれば)東方(オリエンテ)といふべし 五二—五四
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
削がれた樹の枝や海豹(あざらし)の毛のほそい束(ふさ)や野鴨や鵞鳥(がちょう)の羽じくを以て仔羊の皮や巻物に聖い御言葉をかくことも出来、御言葉のなかに散らばる大きい文字をば、土の褐色にも空の青色にも輝く緑色にも
精 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
だから、犯人は偶然最初の一発で、的の黒星を射当てたと見るよりほかになかろうと思うね。他の果房(ふさ)はこのとおり残っていても、それには、薬物の痕跡がないのだよ
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
沈欝(ふさ)いで居た晩は殊(こと)にこれが激しいようでした。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
『だって何だか沈鬱(ふさ)いでいるようだから……もしかと思って。』
郊外 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
すでに六十を過ぎたらしく、鶴のようにという譬(たと)えの相(ふさ)わしい痩躯(そうく)で盲(めし)いた双眼を蔽(おお)い隠すように雪白(せっぱく)の厚い眉毛が垂れ、それがぜんたいの風貌にきわだった品格を与えていた。
日本婦道記:墨丸 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
M氏はいないと思うのであろう。私はその点については口を緘(ふさ)ぐ。しかし見回す限りにおいて人間はあまりに小さく醜い。人間はいかに大きく見えても人間としての卑しさと弱さと醜さをもっている。
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
靴に附いた繸(ふさ)は、弁髪や、上衣の裾や、頭の髪と同じように逆立っていた。彼の曳き摺って来た鎖は腰の周りに絡みついていた。それは長いもので、ちょうど尻尾のように、彼をぐるぐる捲いていた。
私は一言も物を云わず、紅玉(エルビー)を肩に引っ担いだ。それから室を走り出た。長い廊下を一散に、右へ左へ走り廻る。カッと燃え上がる火の光が、行手の廊下を隘(ふさ)いでいる。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)