“痩躯”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
そうく96.8%
やせぎす3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
開墾地一帯の地主、狼のような痩躯そうくの藤沢が、開墾場一番の器量よしである千代枝をれて、札幌の方へ帰って行くのだった。
熊の出る開墾地 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
彼が五尺の痩躯そうくきたなき木桶の中にありながら、しかも彼の心は飄悠へういうとして宇宙に高遊せり。貧困は彼に於て最良の、しかして又最愛の友なりき。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ジュウジュウと音を立てて暗くなって来た、私はその音に不図ふと何心なにごころなく眼が覚めて、一寸ちょいと寝返りをして横を見ると、アッ吃驚びっくりした、自分の枕許まくらもとに、痩躯やせぎすひざ台洋燈だいランプわきに出して
女の膝 (新字新仮名) / 小山内薫(著)
苦しみながらに眼を無理にみはって、女の顔を見てやろうとしたが、矢張やっぱり召縮緬めしちりめん痩躯やせぎすひざと、紫の帯とが見ゆるばかりで、如何どうしても頭が枕から上らないから、それから上は何にも解らない
女の膝 (新字新仮名) / 小山内薫(著)