“不図”のいろいろな読み方と例文
旧字:不圖
読み方割合
ふと96.9%
はからず1.6%
とんだ0.5%
ふいと0.5%
ふつと0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
不図ふとそんなことを考えて硝子屋の前に立ったが、どの正札も高い。やけくそで、ぴょんぴょんと片脚で溝を飛んで煙草屋へ這入はいると
泣虫小僧 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
岩波文庫に収めた北越雪譜は不図はからずも読書子の称賛を得て、昨年三月には第二刷を発行し、ここにまた第三刷を発行するに至つたのは校訂子の欣喜に堪へないところである。
誠に孝行な事と感服していさゝか恵みをしたのがかえって害に成って、不図とんだ災難をせて気の毒で有ったが、明日あす私が訴えて娘子は屹度きっと帰れる様にして上げるが
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
すると不図ふいと娘の奴が妙に鬱ぎ出しやがった。鬱ぐもおかしい、そう仰山なんじゃ無えが、何かこう頭の中で円い玉でもぐるぐる廻して見て居る様な面付をして居やあがる。
かんかん虫 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
不図ふつとさう思出おもひだしたら、毎日そんな事ばかり考へて、可厭いや心地こころもちになつて、自分でもどうかたのかしらんと思ふけれど、私病気のやうに見えて?
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)