“不審”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふしん58.9%
いぶか20.3%
いぶかし10.8%
いぶ4.4%
いぶかり2.5%
あやし0.6%
いぶかしく0.6%
いぶかる0.6%
おか0.6%
ふしぎ0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
どうして、こんなところにきたろうと不審ふしんおもいながら、よくていますと、子供こどもらは、たいへんにこのいぬをかわいがっていました。
少年の日の悲哀 (新字新仮名) / 小川未明(著)
『へえ、妙なことが有れば有るものだ。』と敬之進も不審いぶかしさうに、『それで、何ですか、奈何どんな風に君を呼びましたか、其声は。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
それかと云つて、自分の恋人の父を、すげなく返す気にもなれなかつた。彼女が躊躇してゐるのを見ると、子爵は不審いぶかしさうに訊いた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
「さにはあるまじ。いかで山がらすをさはおもふべき。あのなくね聞き給へ、よもあやまらじ」と不審いぶかしうなりて言へば
すゞろごと (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
買取かひとりるに同じく漏居もれゐければ十兵衞不審いぶかりながら立歸りしが其夜に至り子息せがれ庄左衞門逐電ちくでんせし事を始て聞知り切齒はがみを爲て怒り歎きしが夜中に書置かきおき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
意外な安二郎の迎えを豹一は不審あやしんだが、実はお前の母親のことやがとわざとお君とも女房ともいわずに喋り出した安二郎の話をきくと、事情が分った。
(新字新仮名) / 織田作之助(著)
もらひ持參せし由其酒にて醉伏ゑひふし相果あひはて候事と存じられ候と聞より彌々いよ/\不審いぶかしく思ひ次右衞門申樣右寶澤の顏立かほだち下唇したくちびるちひさ黒痣ほくろ一ツ又左の耳の下に大なる黒痣ほくろ有しやと聞に如何にも有候とこたへるにぞ然ば天一坊は其寶澤に相違さうゐなしと兩士は郡奉行遠藤喜助にむかひ其寶澤の衣類等いるゐとう御座候はゞ證據しようこにも相成るべく存じ候へば申受度と云に喜助きすけ申樣夫は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
不審いぶかるひとの心は旦夕あしたゆふべに變るものとは云ども彦兵衞殿は平常つね/″\あま正直過しやうぢきすぎて人と物言など致されし事もなきお人なれば盜みは勿論もちろんひとを殺す樣なる事のあるべき筈なし何共なにとも合點がてんの行ぬ儀なりと云を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
『宵から、裏の浜辺に、不審おかしな人影が、張番みてえに立っているので、わざと、表へ廻しておきましただが』
夕顔の門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そしてお梅さんはどうなすって?」とお富は不審ふしぎそうに尋ねた。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)