“ふしん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:フシン
語句割合
普請53.0%
不審40.4%
腐心3.5%
不信0.9%
負心0.4%
不真0.4%
0.4%
巫臣0.4%
譜請0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
五条大橋以南の森には、当今流行の普請ふしん工事のいろめきもしてないし、武者風俗も一般に地味で、さかんなのは、蝉の啼き声だった。
あけしに驚きさす旅宿屋やどやの主人だけよひことわりもなき客のきふに出立せしはいかにも不審ふしんなりとて彼の座敷をあらためしにかはる事もなければとなり座敷を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
貧乏びんばふ百姓ひやくしやうはいつでもつちにくつゝいて食料しよくれうることにばかり腐心ふしんしてるにもかゝはらず、作物さくもつたはらになればすで大部分だいぶぶん彼等かれら所有しよいうではない。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
耶蘇やそほど霊力れいりょくがあるなら、巳代吉の唖は屹度きっとなおる。年来ねんらい眼の前に日々此巳代吉にあらわるゝなぞを見ながら、かなしいかな不信ふしん軽薄けいはくの余には、其謎をき其舌のしばりを解く能力ちからが無い。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
事の意外に出でたる驚、ことばに現すべからざる痛、負心ふしんの人に對する忿いかり、皆明かに觀る人の心に印せられき。ヂドは今おもなる單吟アリアに入りぬ。
我が暮らす日の長く又重きことは、ダンテが地獄にて負心ふしんの人のるといふ鍍金めつきしたる鉛の上衣の如くなりき。夜に入れば、又我禁斷の果にひ寄りて、その惡鬼に我妄想の罪をめらる。
「偉大かも知れない、僕が負けるんだから。けれども大概は僕のよりも不善ふぜん不美ふび不真ふしんだ。僕は彼らに負かされる訳がないのに負かされる。だから腹が立つのだ」
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と申して、見た事は確かに見たのでございますから、考えれば考えるほどますますふしんでたまりません。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
妲己だっき褒姒ほうじのような妖怪ばけものくさい恐ろしい美人をたとえに引くのも大袈裟おおげさだが、色をむさぼるという語に縁の有るところがら、楚王が陳を討破って後に夏姫かきれんとした時、申公しんこう巫臣ふしんいさめた
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
違ひ格別かくべつに御ねんも入公事訴訟くじそしよう其外奸曲かんきよく私欲しよくの節も御糺明きうめい有之に付所々より願ひ出候者も多く御手間取成れ候由故道端みちばた譜請ふしん宿割等やどわりとう申付候之に依て貴樣きさま早々さう/\歸宅きたく致さるべく候以上
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)