“いぶか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
73.3%
怪訝9.7%
不審9.4%
7.3%
井深0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
たしかに兄は起きているのにといぶかりながら、勝代は手索てさぐりでマッチを捜して、ランプをけてみると、兄は例の処に寝ていなかった。
入江のほとり (新字新仮名) / 正宗白鳥(著)
ここでただ怪訝いぶかられるのは、遺品だけならよいが、大甕の中に紋服で端坐していたという人間の遺骸はいったい誰か、という疑問である。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あやしや三らう便たよりふつときこえずりぬつには一日ひとひわびしきを不審いぶかしかりし返事へんじのち今日けふ來給きたま明日あすこそはとそらだのめなる
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
しおらしい女人ひとかと思いめぐらすときに、あまりに違った有様に、もしや違った人のページを繰って見たのではないかといういぶかしみさえも添った。
一世お鯉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
井深いぶかは日曜になると、襟巻えりまき懐手ふところでで、そこいらの古道具屋をのぞき込んで歩るく。そのうちでもっともきたならしい、前代の廃物ばかり並んでいそうな見世みせっては、あれの、これのとひねくりまわす。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)