“手索”の読み方と例文
読み方割合
てさぐ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
たしかに兄は起きているのにといぶかりながら、勝代は手索てさぐりでマッチを捜して、ランプをけてみると、兄は例の処に寝ていなかった。
入江のほとり (新字新仮名) / 正宗白鳥(著)
自家うちに帰れば猫の子もいない座敷を、手索てさぐりにマッチを擦って、汚れ放題汚れた煎餅蒲団に一人柏葉餅のようになって寝ねばならぬのに斯うして電灯のついたへやに、湯上りに差向いで何か食って
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
の辺は皆垣が石のような処で、其処そこ切穿きりほりまして穴蔵ような物が山の半腹はんぷくにありまして、まる倉庫くらの様になって居りますから、縁側を伝わって段々手索てさぐりでくと、六畳ばかりの座敷がありまして