“手繰”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たぐ93.6%
たく2.6%
たぐり2.1%
たくり0.4%
たぐる0.4%
てぐ0.4%
てぐり0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ふと思ひついて、頭の上を手さぐりして、天井からはすツかひに引つ張られてゐる紐を掴んで、手繰たぐり寄せると、大丈夫手答へがある。
猫と庄造と二人のをんな (新字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)
『来たよ。』と叫びながら、両手にて手繰たくり始むれば、船頭直ちに、他の一仕掛を挙げ尽し、鈴をも併せ去りて、搦まるを予防しつつ
大利根の大物釣 (新字新仮名) / 石井研堂(著)
「油断じゃないか。北ではまた、南のやつらを、あっといわせようなどと思って、ひっそり、手繰たぐりをつけていねえとも限らねえ」
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
逃げしなにい物を手繰たくりなさるが好い。
老人の言葉の尾を長く手繰たぐると、尻が細くなって、末は涙の糸になる。ただ男だけにそこまではだまを出さない。久一さんは何も云わずに、横を向いて、岸の方を見た。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
魚屋の手繰てぐりものの小鯛、黒鯛、鰺、魴鮄はうぼうの類はいかにも綺麗に並んで居るが、然し決してカンヷスとテレビンで取扱ふ事の出來るものでは無い。
京阪聞見録 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
母親達はあるいは繭を、あるいは手繰てぐり生糸きいとを、あるいは乾柿ほしがきを、あるいはわらつとに入れた泥だらけのわさびなどをそっと持ち出して来ては、その三分の一にも値いしないものと交換する。