“たぐ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タグ
語句割合
手繰66.0%
20.2%
7.8%
0.9%
手操0.9%
0.9%
0.9%
嘔吐0.6%
0.3%
0.3%
0.3%
手探0.3%
0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし私の乱れた頭はただ一つの糸をも確かに手繰たぐり出すことができない。私は夜ふくるまでここに茫然と火鉢の火を見まもっていた。
夏目先生の追憶 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
かゝるものは最も是にたぐふが故に最も是が心にかなふ、萬物を照らす聖なる焔は最も己に似る物の中に最も強く輝けばなり 七三—七五
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
間もなく紅葉のは伝わって、世をこぞってこのたぐい少ない天才のくを痛惜したが、訃を聞くと直ぐ、私は弔問して亡友の遺骸に訣別わかれを告げた。
賽銭を盗み、神林を伐りて悪くば、神官に増俸すべし、と。これ取りも直さず、世道の標準たるべき神聖の職にある人が、みずからその志操を忘却して乞盗にたぐうるものなり。
神社合祀に関する意見 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
網を手操たぐりあげながら、金五郎は呟く。あげてみると、小さなセイゴが一匹、入っていた。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
大膳は女の後姿に見惚みとれながら、じつと手綱をたぐつてゐたが、暫くして四辺あたりを見ると、今通りかゝつてゐるのは、ついぞ見も知らぬ町で、友達のうちとは反対の方角だつた。
いきほひじようじて、立所たちどころ一國一城いつこくいちじやうあるじこゝろざしてねらひをつけたのは、あらうことか、用人ようにん團右衞門だんゑもん御新姐ごしんぞ、おくみととしやうや二十はたちく、如何いかにも、一國一城いつこくいちじやうたぐへつべきいたつてうつくしいのであつた。
片しぐれ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あぶらなす、逆吐ゑづき、嘔吐たぐ
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
かれその御子を、その大神の宮ををろがましめに遣したまはむとする時に、誰をたぐへしめばけむとうらなふに、ここに曙立あけたつの王うらへり
大吉備津日子おほきびつひこの命と若建吉備津日子わかたけきびつひこの命とは、二柱相たぐはして、針間はりまかはさき忌瓮いはひべゑて、針間を道の口として、吉備の國言向ことむやはしたまひき。
しとやかに紙門ふすま押啓おしひらきて出来いできたれるを、たれかと見れば満枝なり。彼如何いかなれば不躾ぶしつけにもこの席にはあらはれけん、と打駭うちおどろけるあるじよりも、荒尾が心の中こそ更にたぐふべくもあらざるなりけれ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そぞろゑみもらせる顔色がんしよくはこの世にたぐふべきものありとも知らず。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
たぐク 偶ヘル妹ヲ………
春泥:『白鳳』第一部 (新字旧仮名) / 神西清(著)
洞窟の中は、入口から来る月光と、ところどころにり明けられた窓から射し入る月光とで、ところどころほの白く光っているばかりであった。彼は右方の岩壁を手探たぐり手探り奥へ奥へと進んだ。
恩讐の彼方に (新字新仮名) / 菊池寛(著)
また人の昇降のぼりくだりするに當りて自然に從ふ處なるこの下界にては、動くこといかに速かなりともわが翼にたぐふにらじ 一〇三—一〇五
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
同氏も処々に伝手つてたぐっては出来る限りの知らせを送られました。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)