たぐ)” の例文
その翼広げたる大きさはとびたぐうべし。野衾のぶすまと云うは蝙蝠こうもり百歳ももとせを経たるなり。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いきほひじようじて、立所たちどころ一國一城いつこくいちじやうあるじこゝろざしてねらひをつけたのは、あらうことか、用人ようにん團右衞門だんゑもん御新姐ごしんぞ、おくみととしやうや二十はたちく、如何いかにも、一國一城いつこくいちじやうたぐへつべきいたつてうつくしいのであつた。
片しぐれ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
むかしそう武帝ぶていむすめ壽陽じゆやう麗姫れいき庭園ていゑんするときうめはなりて一片ひとひらかんばせかゝる。おもかげまたたぐふべきものなかりしより、當時たうじ宮女きうぢよみなあらそつて輕粉けいふんもつかほ白梅しらうめはなゑがく、しようして梅花粧ばいくわしやうふ。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)