“較”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くら85.9%
3.1%
やや1.6%
かく1.6%
たぐ1.6%
くらべ1.0%
こう1.0%
なら1.0%
クラ1.0%
ややもす0.5%
0.5%
0.5%
やゝ0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
更に面白いことには、この地変は一地点に止らず、最大隆起の場所が、活動の初期にくらべて、漸次北の方へ進行して行ったのである。
天地創造の話 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
『魯文珍報』は黎明れいめい期の雑誌文学中、や特色があるからマダシモだが、『親釜集』が保存されてるに到っては驚いてしまった。
鴎外博士の追憶 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
朝鮮の俘虜を囚へこめしところのあとといふも、夏草の生ひ茂るにまかせ、うばら、からたち、ややもすれば足をいるるの隙なからむとす。
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
彼慨然として答えて曰く、「時宗、秀吉はまことに及びやすからず、しかれども義律エリオット伯麦ブレマ馬里遜モリソン陋夷ろういの小才のみ、何ぞともかくするに足らんや」
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
その翼広げたる大きさはとびたぐうべし。野衾のぶすまと云うは蝙蝠こうもり百歳ももとせを経たるなり。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
赤人の此歌とくらべれば赤人の歌ほどには行かぬのである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
そうしてなお位田と位禄の対比から、「一町を封八戸ばかりこうしたる(1)」ことを認めている。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
けれども、貧弱な日本が、欧洲の最強国と、財力において肩をならべる日の来るまでは、この平衡は日本に於て得られないものと代助は信じていた。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
……ツイテハ、高家コウケ御秘蔵ノ宝刀ト、貴下ノ愛刀トヲ、一セキクラベ合ッテ鑑賞ヲ共ニシタシトノ高閣下ノ御希望デアル。依ッテ、明日改メテ迎エノ使者ヲ出ス故、御携来ゴケイライネガウ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おもうに彼みずからその短所を知りたるか。彼は四角なるフランクリンなり、彼は主我的にして、ややもすれば究屈なる諸葛孔明しょかつこうめいなり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
昔ながらの松明まつのあかり覚束おぼつかなき光に見廻はせば、寡婦やもめらしの何十年に屋根は漏り、壁は破れて、幼くてわが引き取られたる頃に思ひらぶれば、いたく頽廃たいはいの色をぞ示す
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
室に入り来てまず四周ぐるりと人々を見廻し地板ゆかいたに坐り両掌を地板にせ、また諸方に伸ばして紙や麪包パン小片かけを拾い嗅ぐ事猴のごとし、この児痩形やせがたにて十五歳ばかりこの院に九年めり
世界大戦後の好景気の余波と震災後の復興気分とが、しばし時代相応の享楽世界をかもし出してゐたが、晴代が銀座で働かうと思ひ立つた頃のカフヱはやゝ下り坂だと言つた方がよかつた。
のらもの (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)