“四周”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あたり43.8%
まわり40.6%
ぐるり6.3%
ししゅう3.1%
まはり3.1%
よもにめぐれり3.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
其時も叔父は、私におあしを呉れる事を忘れなかつた。母はいつもの如く不興な顔をして叔父を見てゐたが、四周あたりに人の居なくなつた時
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
そして、本館は水松いちいの刈込垣でめぐらされ、壁廓の四周まわりには、様々の動物の形や頭文字を籬状まがきがたに刈り込んだ、樿つげや糸杉の象徴トピアリー樹が並んでいた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
イエス様は感慨深く四周ぐるりを見まわされた後、その日はそのままベタニヤまで引き返して、友人の家に宿り給いました(一一の一一)。
しかも、四周ししゅう山々に囲まれて、料理の料理とすべき海産の新鮮なさかながなかった。ここに与えられた材料は、豆腐、湯葉ゆば、ぜんまいなどであった。
味覚馬鹿 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
春は壺菫に秋は桔梗ききやう女郎花をみなへし、其草原は四季の花に富んでゐるので、私共はよく遊びに行つたものだが、其頃は、一面に萱草の花の盛り、殊にも水車小屋の四周まはりには沢山咲いてゐた。
二筋の血 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
抑又はたまた塩土老翁しほつちのをぢに聞きしに曰く、東に美地よきくに有り、青山四周よもにめぐれり、……われおもふに、彼地そのくには必ずまさに以て天業あまつひつぎのわざ恢弘ひろめのべ天下あめのした光宅みちをるに足りぬべし、けだ六合くに中心もなかか。……何ぞきてみやこつくらざらむや。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)