“ぐるり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
周囲64.9%
周圍10.8%
四周5.4%
四辺5.4%
四邊5.4%
周縁2.7%
周辺2.7%
四囲2.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そりゃ御父さんの三十もおれの三十も年歯としに変りはないかも知れないが、周囲ぐるりはまるで違っているんだからそうは行かないさ。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と言ひつゝ、藤の蔓を取り、少し飛び上りては周圍ぐるりの樹に开を纏ひつかせ、又下りては又他の蔓を持ち上り、开を鄰の樹に纏ひつかせなどす。
花枕 (旧字旧仮名) / 正岡子規(著)
室に入り来てまず四周ぐるりと人々を見廻し地板ゆかいたに坐り両掌を地板にせ、また諸方に伸ばして紙や麪包パン小片かけを拾い嗅ぐ事猴のごとし、この児痩形やせがたにて十五歳ばかりこの院に九年めり
小林は気がついたように四辺ぐるりを見廻した。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
智惠無ちゑなしのやつ大鍋おほなべ四邊ぐるりれッくらい無駄むだがついてるではいか、れへまわして砂糖さとうさへあまくすれば十にんまへや二十にんいてよう、何處どこでもみん左樣そうするのだおまへとこばかりではない
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
しかし、もう一段眺望を高めると、その沈んだ色彩の周縁ぐるりが、コロナのような輝きを帯びていて、そこから視野のあらんかぎりを、明るい緑が涯もなく押し拡がってゆく。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
殊に穴の周辺ぐるりが既に錆びてザラザラして居るから、女でも此の穴へ手を入れれば必ず引っ掻かれて怪我するに極って居る、と斯う思うと忽ち思い当ったのは虎井夫人の事だ
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
そこに大きなかなえがあって、高さが七尺ばかり、四囲ぐるりに炭火を燃やして、その足を真紅に焼いてあった。曾はおそろしくて哀れみを乞うて泣いた。逃げようとしても逃げることはできなかった。
続黄梁 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)